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zm side
「でも、やっぱり、必要ないかも」
「え?フォローしてくれんの?」
「ん〜…ゾムくんのアカウント見つけちゃったら、人気なの分かっちゃうから」
よし、今からサブ垢作るか。
彼女の尊いところだけを書き納めるサブ垢づくり計画を頭の中で立てたところで、現実に戻る。
てか、理由が可愛いな。
否、現実に戻れず。
人気なの知って、私だけのゾムくんが〜!とか思うのが嫌なんかな。いや、思ってくれるんかな。思ってくれたとしたら、マジで嬉しい。なんて思考が展開される。
「えっと…その。ゾムくんが…手の届かない人って思っちゃうのが怖くて」
あぁ、そっち。
Aの言葉に、ようやく、現実に引き戻された。
俺が返事をしないのが気になるのだろう。俺の様子を伺うAの手を握って、目の前に持ってくる。
「今、一番近くにおるのはAやろ?」
「う、うん…」
「手を握れるのも。こうやって…」
少しだけ赤く染まっている頰に優しく手を置いて、Aのぷっくりとした可愛い唇にキスを落とす。
「キスできるのも。Aだけ」
「あ…の…」
「これでも、不安?」
「い、や…そ、じゃなくて。…配信者のゾムくんが、別の人…みたいな」
リンゴのように真っ赤な顔。
食べたらきっと、たくさんの蜜が入っていて美味しいのだろう。そんな表情で、辿々しくもそう言うA。
「あ、せや!」
不意にトントンの言葉を思い出して、ポンッと手を叩く。
ゲームする俺に慣れれば、少しは配信者としての俺にも慣れるのではないか。
どちらも俺なので、できればAにも配信者としてのゲームをする俺も好きになってほしい。
「トントンから、一緒にゲームしよってAに」
「私に?」
「おん!どう?」
本当は、嫌だと断ったが、トントンは聞き入れてくれなかったので、どうせ、強制的なものだろう。
とはいっても、Aが嫌なら、やらせるわけにはいかないが。
「……やってみたい!」
「ん、そっか」
それなら、何も言うまい。と、優しく微笑んで、Aの頭を撫でる。
アイツらとあまり会話はさせたくなかったが、仕方ない。
「ゾムくんとゲーム」とニコニコと笑っていて、今すぐにでも押し倒してしまいたいAを落胆させないように。と、スマホを開いてトントンにメッセージを送った。
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月見(プロフ) - ゆうなさん» 感想ありがとうございます!!文才が足りないところも多々ありますが、頑張ります!(笑) (2021年2月22日 20時) (レス) id: 3ca37bb3dd (このIDを非表示/違反報告)
ゆうな(プロフ) - 続編…!!!!!はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ、、、ゾムがイケメンだ、イケメンだぁぁぁぁぁっっ!!!そして夢主も可愛いっっっ!!ぁぁぁぁぁぁあぁあ、話が面白すぎる!そしてめっちゃ癒されます…てかもうにやけ顔が収まらんww これからも頑張ってください!!! (2021年2月18日 4時) (レス) id: 53cc08d6c4 (このIDを非表示/違反報告)
月見(プロフ) - RURUさん» 続編の方にも、感想ありがとうございます!続編も頑張りますね! (2021年1月23日 16時) (レス) id: 1f912309a9 (このIDを非表示/違反報告)
RURU - すき焼き…(訳:続編も最高です) (2021年1月14日 16時) (レス) id: 4226f6833e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月見 | 作成日時:2021年1月13日 23時