↓ ページ24
ルールは至って簡単だ。
ゾムくんと過ごしている中で、本物と偽物が入れ替わる。ゾムくんが入れ替わったことに
気づき、本物を当てられたら、ゾムくん含め、私の勝ち。
チャンスは二回。
まずは私からということで、ゾムくんがくるのを待つ。
暫くして、教室の扉が開き、ニコッと微笑んだ。
「遅かったね？」
「…ん、なんか、アイツらに色々絡まれてん。……なんやったんやろ」
多分それはグルッペンさん達による足止めです。なんて、心の中で回答しておいて、多分、疲れ切っているゾムくんに近寄る。
「…疲れてる？」
「ん、そう見える？」
「うん」
「…じゃ、甘やかしてくれる？」
「ん、いーよ」
そう言って、両手を広げれば、ゾムくんは驚いたように目を見開いて、動きが止まる。
そんな彼に「どうしたの？」と聞いてみれば、「いや、断られるかと思っとった」なんて言うので、ムッと不機嫌を装う。
「……断ってもいいんだよ」
「え、それは嫌」
困ったように笑いながらも、そう言って、ギュッと私に抱きついてくるゾムくん。
ゾムくんの体温が、緊張で冷たくなっていた身体をゆっくりと溶かしていく。
「ゾムくん、すき」
「？…俺もすき」
だから、絶対気づいてね。
ギュッとゾムくんを抱きしめる力が強くなる。そうすれば、仕返しとばかりに同じように抱きしめる力を強くするゾムくん。
本当は、ゾムくんと私以外の女の人を同じ部屋で二人きりにはしたくないけど。なんて思いながらも、私がやるって決めておいて、自分勝手すぎると自傷気味に笑う。
「ゾムくん、飲み物、買ってくるね」
ゆっくりと身体を離して、そう言えば、ゾムくんは首を傾げながらも「俺も行く」と言ってくれる。
その言葉に首を振って。
「ゾムくん、それで外出るの？」
と少しだけ顔を背けて、苦笑い。
ゾムくんは、申し訳なさそうにした後に、開き直って「Aが可愛すぎて反応したんやから、Aが悪い」と謎の理論を言い始める。
そんなゾムくんにため息を吐いて、小さく微笑む。
「…とにかく、行ってくるね？」
「ん、分かった。気をつけてな？」
「うん！」
これで、私の一回目のターンは終わり。
教室の扉を閉めて、飲み物を買うべく、自動販売機に向かった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 277人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
月見(プロフ) - ゆうなさん» 感想ありがとうございます！！文才が足りないところも多々ありますが、頑張ります！（笑） (2021年2月22日 20時) (
レス) id: 3ca37bb3dd (このIDを非表示/違反報告)
ゆうな(プロフ) - 続編…！！！！！はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ、、、ゾムがイケメンだ、イケメンだぁぁぁぁぁっっ！！！そして夢主も可愛いっっっ！！ぁぁぁぁぁぁあぁあ、話が面白すぎる！そしてめっちゃ癒されます…てかもうにやけ顔が収まらんww これからも頑張ってください！！！ (2021年2月18日 4時) (レス) id: 53cc08d6c4 (このIDを非表示/違反報告)
月見(プロフ) - RURUさん» 続編の方にも、感想ありがとうございます！続編も頑張りますね！ (2021年1月23日 16時) (レス) id: 1f912309a9 (このIDを非表示/違反報告)
RURU - すき焼き…(訳:続編も最高です) (2021年1月14日 16時) (レス) id: 4226f6833e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：月見 | 作成日時：2021年1月13日 23時
