有名カップルの朝 ページ9
zm side
朝、なんとなく目が覚めて、なんの理由もなく学校へと向かう。
時計を見れば、いつもより早い時間に登校していたらしく、他の生徒の姿はあまり見えない。
「はやく来すぎたな…」
少しの後悔と呆れ。
家で寝とけばよかったと思うも束の間、視界の端に彼女の姿を捉えた。
その瞬間に、先程までの鬱な気分を忘れ、軽い足取りで彼女の背中を追う。
「だぁーれ、だ！」
特に隠す気はなく、彼女の横に並んで顔を覗けば、面を食らったような顔をする彼女。
歩いていた足を止めて、一瞬の硬直ののち、へらぁっと彼女は微笑んだ。
今日も彼女が可愛い。
「びっくりした…。おはよ、ゾムくん」
「ん、おはよ」
軽く挨拶を済ませて、彼女の手を優しく取る。ニコッと笑えば、手を繋ぐことに照れたのか顔を背ける彼女。
その反応も可愛いが、顔を見れないのは残念だと少し思う。
「それにしても、Aって、いっつもこんな早くに登校しとるん？」
「んー…そうだね。ゾムくんは、珍しいよね？」
「おん！珍しく、目が覚めてん！Aに会えるなら、朝早くから学校来るのも悪ないなって」
「ふふ、その調子で、授業に出る回数も増えてくれればいいんだけど？」
「善処はする」
すんっと真面目な顔でそう言えば、クスクスと笑う彼女。そんな彼女の頭を優しく撫でると、嬉しそうに顔を綻ばせる。
「なー、A。……デートしよ？」
「デート…？今週の休みなら…」
「いや、そうじゃなくて…。今！朝デートしよー？」
「ぇ…？」
「んふふ、決まりな！んー、あ！学校内回ってみよか？まずは…運動場の方、行ってみよ！」
折角、朝早くに学校に来たのだから、これくらい許されるだろうと彼女を引っ張る様にして歩き始める。「もう…！今回だけだからね？」と言う彼女も満更ではなさそうだ。
「Aは優しいなー。今度、甘いもの、食べに行こな？」
「え？ほんと！？…じゃあ…最近できた新しいとこ、行きたいんだけど…」
は？可愛い。
俺の顔色を伺いつつ、身長差的に下から見上げる形で首を傾げる彼女に、頭を抱えた。
彼女の頼みであれば、たとえ遠かろうと行きたいところに連れて行ける自信しかない。
「？どうしたの？…もしかして…」
「なんでもない、なんでもない！ええよ！次のデートで行こうな？」
「！…うん！」
嬉しそうに顔を綻ばせる彼女に、今日も平和だと握る手を強くした。
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月見(プロフ) - RURUさん» 感想ありがとうございます！もっと、二人の仲を上手く書けるように頑張りますね！（笑） (2021年1月23日 16時) (
レス) id: 1f912309a9 (このIDを非表示/違反報告)
RURU - 尊い…(尊死)好k(昇天) (2021年1月14日 16時) (レス) id: 4226f6833e (このIDを非表示/違反報告)
月見(プロフ) - あんこおさん» 感想ありがとうございます！続編も頑張ります！（笑）rdさん了解しました。私も考えていたので、絶対書きます！（笑） (2021年1月14日 0時) (レス) id: 1f912309a9 (このIDを非表示/違反報告)
月見(プロフ) - みかん_(:3」z)_さん» いえいえ！そんなことないです（笑） (2021年1月14日 0時) (レス) id: 1f912309a9 (このIDを非表示/違反報告)
あんこお - もう夢主もZさんも可愛すぎてこっちが昇天します。続編頑張って下さい！！あと、ついでに青いrdさんと絡ませてくれると嬉しいです() (2021年1月11日 19時) (レス) id: 922d9dcc2b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月見 | 作成日時：2020年12月27日 17時
