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暫くして、いつもの教室に着いた。
もはや、ゾムくんの部屋と化しているココは、寝るための布団だったり枕だったり、ゲーム機だったりと沢山の暇つぶしをするためのモノが置かれており、娯楽施設のようだ。
ゾムくんは、クッションを床に敷くと、私の肩を優しく押して、座らせた。
「俺と帰るの、嫌だったん??」
「え?」
ゾムくんの言葉に顔を上げれば、やはり哀しそうな表情をするゾムくん。
「だって、最後まで、アイツらのこと気にしとったやん」
アイツらというのは、ゾムくんを遊びに誘った子達のことだろう。
気にしていたわけではないが、ゾムくんの目には、そう映ったらしい。
「俺に、行って欲しかった?」
「それは、ち…!」
否定しようとして、一旦黙る。
否定してどうなる?ゾムくんを縛ってどうするんだ。と思考がグルグルと回る。
「…A?」
「いや…ほら、ゾムくんもさ、クラスの子達と仲良くなった方がいいよ…?私ばっかりじゃ、友達…できないし。私が彼女だからって、いっつも一緒にいる義務はない…んだしさ」
半分嘘で半分本音。
吐き出すように早口で捲し立て、顔は下を向けて、自傷気味に笑う。
「は、しょうもなっ」
「へ?」
吐き捨てるように、冷たい言葉が返ってきて、思わず身体が震えた。
ゾムくんは私の目の前にしゃがみ込むと、グイッと頰を掴んで顔を上に向かせて、私の目を見定めるかのようにじっと見る。
その表情は、怒っていて、少し…いや、だいぶ怖い。
「俺は、お前に心配されるほど、お友達には困ってへんし。彼女と一緒にいることを義務って思ったこともないんやけど?」
「…ハイ…すみません」
「それとも、Aは俺と一緒におるん、嫌??」
「滅相もないです」
圧がすごい。
「そもそも、俺が聞きたいんは、そこじゃないし。Aは、行って欲しかったんかって聞いとるんやけど?」
いや、圧が凄いって。
答えはNOしか受け付けない感がすごいな。なんて思いながらも、心の中はホッと安心しており、むしろ、嬉しさに顔が綻ぶ。
ゾムくんなら、私の醜いところも全て、包んでくれる気がして、心が軽くなった。
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月見(プロフ) - RURUさん» 感想ありがとうございます!もっと、二人の仲を上手く書けるように頑張りますね!(笑) (2021年1月23日 16時) (レス) id: 1f912309a9 (このIDを非表示/違反報告)
RURU - 尊い…(尊死)好k(昇天) (2021年1月14日 16時) (レス) id: 4226f6833e (このIDを非表示/違反報告)
月見(プロフ) - あんこおさん» 感想ありがとうございます!続編も頑張ります!(笑)rdさん了解しました。私も考えていたので、絶対書きます!(笑) (2021年1月14日 0時) (レス) id: 1f912309a9 (このIDを非表示/違反報告)
月見(プロフ) - みかん_(:3」z)_さん» いえいえ!そんなことないです(笑) (2021年1月14日 0時) (レス) id: 1f912309a9 (このIDを非表示/違反報告)
あんこお - もう夢主もZさんも可愛すぎてこっちが昇天します。続編頑張って下さい!!あと、ついでに青いrdさんと絡ませてくれると嬉しいです() (2021年1月11日 19時) (レス) id: 922d9dcc2b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月見 | 作成日時:2020年12月27日 17時