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私に拒否権などないらしい。
楽しそうに服を選んでいくゾムくんに、まぁいっか、と苦笑い。
服が少ないのも事実なので、この機会に買うのもまた運命だったのかもしれない。
「ん〜…これもええなぁ」
ただ、一つだけ言っておきたい。
「丈が短いやつとか、肩出しとかは着ないからね？？」
ニコッと笑えば、ゾムくんは手に持っていた露出の高い服達を静かに戻していく。
どれだけ、着させる気だったんだ。
「……まったく…」
「ん、ほらほら、これとこれとこれ！着てきて！」
白いワンピースにカーディガン。
帽子まで用意したゾムくんに、こういう清楚な感じが好きなんだと少し勉強。
「でも、似合うかなぁ…」
清楚系の服はあまり着たことがないので、若干の不安を抱えて、試着室に入る。
大きな姿見と、カゴやハンガーが置いてあって、至って普通の試着室。
いつもより緊張するのは、試着室の前でゾムくんが待っているからだろう。
…よし、とりあえず着よう。
急いで、ゾムくんが決めてくれた服に着替えて、少しだけ姿見で確認。
髪の毛もいい感じに整えて、カーテンから顔を出す。
「お、着替えた？」
スマホをしまって、ゾムくんはそう聞く。
その言葉に、小さく頷いて、カーテンを開けた。恥ずかしさからか、視線を下に向けてしまう。
「………うわ。まじかぁ…」
力なのないそんな声が聞こえて、思わず視線を上げた。
そこにあったのは、顔を僅かに赤くして、額に手を置くゾムくんの姿。
「…すっごい、かわええ…！」
「お、大袈裟、だよ…」
一応、喜んでもらえているらしい。
二人して顔を真っ赤にして向き合っている状況は中々に初々しいものがある。
「えと、一旦、着替えるね？」
「お、おお、おん！」
カーテンを閉めて、試着室の中に籠る。
顔の前で手のひらを合わせて、小さくため息をついた。
こういう服、買ってみようかな。
ドキドキする胸をなんとか抑えながらも、元の服に着替えて、試着室を出る。
私と同じ様に精神統一でもしたのか、落ち着きを取り戻したゾムくんが、「似合っとったで」と言うので、また心臓が跳ねる。
「…もう、やめてよ…」
「くははっ、事実やもん」
「うるさい」
それから、数店舗周り、着せ替え人形にされ。
全ての服を買ってくれたゾムくんは、とても満足そうだった。
(そのお金がどこから湧くのかを聞いてはならない。)
今度は、私がゾムくんを着せ替え人形にしようと何となく心に決めた。
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月見(プロフ) - RURUさん» 感想ありがとうございます！もっと、二人の仲を上手く書けるように頑張りますね！（笑） (2021年1月23日 16時) (
レス) id: 1f912309a9 (このIDを非表示/違反報告)
RURU - 尊い…(尊死)好k(昇天) (2021年1月14日 16時) (レス) id: 4226f6833e (このIDを非表示/違反報告)
月見(プロフ) - あんこおさん» 感想ありがとうございます！続編も頑張ります！（笑）rdさん了解しました。私も考えていたので、絶対書きます！（笑） (2021年1月14日 0時) (レス) id: 1f912309a9 (このIDを非表示/違反報告)
月見(プロフ) - みかん_(:3」z)_さん» いえいえ！そんなことないです（笑） (2021年1月14日 0時) (レス) id: 1f912309a9 (このIDを非表示/違反報告)
あんこお - もう夢主もZさんも可愛すぎてこっちが昇天します。続編頑張って下さい！！あと、ついでに青いrdさんと絡ませてくれると嬉しいです() (2021年1月11日 19時) (レス) id: 922d9dcc2b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月見 | 作成日時：2020年12月27日 17時
