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「ふぅー………とりあえずこんなもんかな…」



「助かった。ありがとう五条さん」



「いいえー、どういたしまして」






五条さんにも手伝ってもらい、一通りの区切りがついた頃には夜中。


あの部屋の障子、襖、畳、壁… 諸々取り替えられ、何もなかったかのようになっている。



葬式は身内のみでひっそりと執り行うことにした。






「それにしても、大変だったね。人が死んでいるところなんて、まだ16の君が見て良い光景じゃ無い」



「問題ない。たとえ親だとしても惨めな幼少期を過ごしてきた。親愛の情など持ち合わせて無ぇからよ」



「……そっか」






はぁ……


これからどうすっか…



現当主(ジジイ)は死んだ。前当主(クソジジイ)は生きてはいるが、もはや老害。


めんどくせぇーーーー…






「A様、少々よろしいでしょうか」



「入れ」



「し、失礼します。取り急ぎお伝えしたいことが」



「なんだ」



「現当主様が亡くなられた今、我が一色家を継ぐものは次期当主であるA様、いえ、若様しか居られませぬ。

もう既に上にこのことが伝わりました。審議の結果、一色Aを当主に足る器としてお認めになられました。

よって、明日の朝急ではございますが承継の儀を行います」



「…わかった」



「では、失礼いたします」






早く出て行け。


承継の儀なんぞ面倒くさい。




が、






「ククッ、」



「君変わったねぇ。もう敬語はやめるの?」



「ククク、ハハハハハ!!」



「A?」



「やっと、やっと俺が当主だ…!こんな縛りで溢れた家、内側からぶっ壊してやる…!!!」



「A!」



「これで俺も自由…!!ハハハハハハハ!!!!」



「A!!」






ガッ、と肩を掴まれ五条さんと目が合う。目隠しをしている為おそらく合っていると思っている。


つか、痛っ…



あれ、俺今なにして……






「A、自分を見失っちゃいけない。意味のない破壊はただの虚無と同じだよ。

今Aがするべきことは何?」



「いま、するべきこと、」



「そう」



「明日の承継の儀で、この家の当主になること。…それから、ジジイの殺害を謀った奴を見つけて高専に突き出すこと」



「そうだね。

僕はこれで高専に戻るけど、くれぐれも忘れないように。ここには、もう君を止められる人はいないからね」



「…ああ」






 

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夜桜(プロフ) - 面白いです。頑張ってください グリムジョーが、カッコイイです。 (2021年2月20日 17時) (レス) id: 61068c4ac1 (このIDを非表示/違反報告)
むーちゃん(プロフ) - 続編おめでとうございます!凄くいい展開で楽しみです!更新頑張ってください!! (2021年1月16日 10時) (レス) id: 61a580f902 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2021年1月15日 16時

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