屋敷図 ページ33
「屋敷図がなんだよ」
「何も気づかない？」
なんも変なとこなんて…
あ？
おいおい、
「ジジイの部屋の奥は庭のはずだが…？」
「そう、僕もこの屋敷の中を一通り歩いたから造りは一通り理解してた。でも、この屋敷図には実際にはないスペースが不自然に記されている」
五条さんが気づいた違和感
それは、屋敷図と実際の屋敷の造りが一致しないこと。
庭を囲むように造られているこの屋敷はジジイの部屋を中心に広がっており、作り自体は不規則だ。
が、その離れは明らかにおかしな位置に記されており、もちろん実際にはない。
となると、ジジイの部屋からしか行くことが出来ない…
そこまで考えが至り、五条さんをぱっ、と見ると肯定するように頷く。
すると息つく間もなく襖が勢いよく開かれ、そこには伏黒と釘崎がいた。
「もー、疲れた！！」
「流石に本家じゃねぇと刀の話が出てくるわけなかった」
「まぁ恵も野薔薇も座りなよ」
「何この大量の本…うげぇ…」
「で、話戻すけどどうする？」
「行くに決まってる」
「なんの話ですか？」
「んー？明日は一色家当主のいる部屋に凸るかっていう打ち合わせ」
「凸っ…！？アンタら正気！！？」
大丈夫だろ。
とりあえず行儀良く猫かぶっておけばぶん殴られたりはないと思うし。
「ところで2人が手に持ってるソレ、なに？」
「これ？なんか貰ったのよ。お疲れでしょう？って」
「ちなみに誰から？」
「…わかんねぇけどスラッとした美形の人。玄関にいたんだ」
スラッとした美形…？
犯人はわからないが、高専関係者が来てよく思っている奴らは少ない。
「ちょっとソレ貸して」
「やんねーぞ！！」
「いいから」
釘崎から小箱を受け取り広げる。
ラッピングを解くと中にはクッキーが入っていた。
スン、と鼻を近づけ匂いを嗅ぐと思っていた通り、
「…毒だよ」
「「「エ」」」
「症状は腹痛に嘔吐、発熱…… 薄めてあるから目的は殺害ではなく嫌がらせ… ってとこか」
「A…？」
「そういうわけだから、2人はコレを捨てたほうがいい。渡して」
大人しく渡してくる２人。
まぁ、怖いよな。歓迎されてないってことを身に染みて実感させられた。
次は何があるかわからない。
「どうかした？」
「…お前なんで」
「んー… 結構盛られたから自然と身についたんだよ。
あ、信用してくれていいよ。わかりやすいやつだったから」
あれ、なんでそんなシーンとすんだよ。
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夜桜(プロフ) - 面白いです。頑張ってください グリムジョーが、カッコイイです。 (2021年2月20日 17時) (
レス) id: 61068c4ac1 (このIDを非表示/違反報告)
むーちゃん(プロフ) - 続編おめでとうございます！凄くいい展開で楽しみです！更新頑張ってください！！ (2021年1月16日 10時) (レス) id: 61a580f902 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：宮 | 作成日時：2021年1月15日 16時
