検索窓
今日:3 hit、昨日:5 hit、合計:158,971 hit

戻ってきた ページ29

門の前に立ち、内側から開けられるのを待つ。


合図は少し前にしたのでそろそろ開くだろう。



門の前に立っていたのは使用人たちの総取締り役だった。

一応ニコニコしておく。






「な、なんか、緊張してきたわね…」



「ご心配なさらず、あなた方に手を出すようなことがないように致しますので」



「毎回お前のそれ気持ち悪いな…」





「A様、開きます」



「ありがとう」





「いよいよね…」



「ああ」



「楽しみだなぁ」






各々の言葉を発する3人にボソッと「引かないでね」と言う。

ハテナを頭上に浮かべる伏黒、釘崎と苦笑いの五条さん。


重厚な音を立てながら開いていく扉。

ゆっくりゆっくり向こうの景色が見えてくる。






「おかえりなさいませ、A様」






ガコン、と全て開き切った扉の先には使用人たちが。

広い庭の中心に屋敷まで伸びる石畳の道と、その両端に着物が汚れることを気にもせず頭を垂れて俺を迎えていた。


目をパチクリさせる2人。

だから引くなよって言っただろ…



いつもなら見向きもせず家に行くけど、流石に通りづらいだろうな。

仕方ない。






「お客様が驚いています。お立ちになってください」



「失礼しました」






失礼しました、と言いながら立ち上がる使用人たち。


そのうちの1人がこちらに近づいてきて頭を深く下げた。






「3日ほど滞在するつもりです。帰ってきたわけではございません」



「お荷物を」



「結構です。無礼ですよ、離れてください」






そう言うと大人しく下がる女中。


すぐ下がるなら最初から来んなよ。

などと悪態をつきながら顔には微笑みを浮かべる。






「こちらの3人はお客様です、くれぐれも失礼のないように。

部屋は翡翠の間を用意してください。あの部屋が客間で1番広かったですよね?

それから、彼らに手出しすることのないように。最大限のもてなしをお願いします」



「…かしこまりました」






…なんだ今の間は。

ジジイに暗殺でも命じられてたか?


まぁいい。なにかあったなら俺が潰すだけだ。

それに、3日の辛抱だしな。






「ねぇ、私たち、危ないんじゃ…」



「やっとわかってくれました?ですので、あまり気を抜かないように」






すこし表情が硬くなる釘崎と伏黒。


コレはマジの忠告だ。絶対気を抜くなよ。

部屋→←一色、本家



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (118 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
435人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

夜桜(プロフ) - 面白いです。頑張ってください グリムジョーが、カッコイイです。 (2021年2月20日 17時) (レス) id: 61068c4ac1 (このIDを非表示/違反報告)
むーちゃん(プロフ) - 続編おめでとうございます!凄くいい展開で楽しみです!更新頑張ってください!! (2021年1月16日 10時) (レス) id: 61a580f902 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名: | 作成日時:2021年1月15日 16時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。