ななじゅうはち ページ33
決勝なので今の試合が最後
残っていた学校もちらほら帰り始める中、俺らも帰る準備をする
荷物はもう全部積んだ後で、俺と英はもう荷物を背負い、既に集合場所にいた。あとはみんなと顧問が来ればいいだけ
この時間が耐えられなくて、口を開く
「……ごめん」
「なにが」
「もっと点決められるとこあった。もっとブロックつけた。もっと跳べた」
「やめろA」
「今思えば、もっと頑張れた」
「A」
「俺が、」
「A！」
止まらない自責を物理的に止めるように肩を掴まれハっ、とさせられる。英は俺の頬に両手を添えてギュッと力を込める
そのまま英と目を合わされ、必然的に俯いていた顔は上を向く
「っ、英、おまえなんで、そんな泣きそうな、」
「そんなの、負けたからだろ」
「……悔しい」
「そうだな」
「…強くなりたい」
「うん」
「負けたくない」
「あぁ」
互いにじわじわと目頭が熱くなりながらも強い目で見つめ合う。涙は、流れない
あぁ、きっと英も俺と同じなんだ。きっと俺と同じこと思ってる
「俺も負けたくない」
「うん」
「勝ちたい」
「うん」
「クソ…勝ちたい……！」
「……うん」
ポロポロとこぼれる英の言葉にさっきしてくれたように耳を傾ける。喧嘩する前はこうやって、ずっと互いの話を聞いてた
なんか、懐かしい
俺の頬を挟む英の両手が少し震えているのがわかる。強がってても、兄ちゃんでも、英は英だな
これは、一緒にいる俺にしか分からない
「泣かないの？」
「泣かねーよ。Aこそ」
「俺だって泣かねーよ！」
「ぷっ、」
「ふ、」
「「はははははは！」」
ムキになって答えるとなにか面白くて笑いが溢れる。なんで、おもしろい
沈んでいた気分が少しずつ浮上していく。俺も同じ目線にある英の頬に両手を添えて口を開く
「次は勝とうね」
「あたりまえ」
「「俺たち最強だから！」」
顔を見合わせて「ははは！」とまた笑う
俺と、片割れ
俺たちは２人で１つ
２人でいれば怖いものなんてないんだ。俺たちが揃えばできないことなんてない
��俺たちは最強��
おまじないのようで、俺たちの背中を押すもの。小さい頃から続けている
「あれ、ツインズ早いな」
「花巻さん、松川さん」
「お？なにしてんの？」
「「秘密です」」
えー、と言われるがヒラヒラとかわしていく
そうしているうちにみんなも集まっていた。先生の話を聞いてそんで、そのまま今日は解散した
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宮(プロフ) - しのはさん» はじめまして、コメントありがとうございます！ そんなっ、素敵だなんて、照れちゃいます…嬉 (2021年8月25日 22時) (
レス) id: 7e744ae5d4 (このIDを非表示/違反報告)
しのは - 初めまして。しのはと言います！とても素敵な作品でした〜！続き楽しみにしてます！！ (2021年8月24日 16時) (レス) id: 51838f05e5 (このIDを非表示/違反報告)
宮(プロフ) - 京凛さん» ありがとうございます！ちょっと今、リアル多忙なのでできる時に少しずつ進めていきますね！！ (2021年6月27日 23時) (レス) id: 7e744ae5d4 (このIDを非表示/違反報告)
京凛(プロフ) - 応援してます！！ (2021年6月27日 21時) (レス) id: c8e77dbc20 (このIDを非表示/違反報告)
京凛(プロフ) - めっっっちゃ好きです!大好きです!更新頑張ってください！！ (2021年6月27日 21時) (レス) id: c8e77dbc20 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：宮 | 作成日時：2020年6月28日 12時
