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高校3年生、夏休み。
進路は専門学校に進学。早々に受験をして無事合格。
私の夏休みはなんのためにあるのか！
友達は全員進学のため遊びに誘うことも出来ない。
私がすることと言ったらこのコンビニのバイトしかないのだ。
_____
「高橋さん、ちょっとお腹痛いからトイレ籠ってくる」
「あっ、はい。分かりました！」
17時から22時の5時間のバイト。
この時間は大体2人で仕事。2人だけ、と言っても20時を超えた今、全然人は来ない。
外から聞こえるセミの声、市内の中でも若干田舎の方にあるので周りに駅やショッピングモールはもちろんない。
しかし周りは高層マンションばかりの高級住宅街なのだ。
近くに住むマダムたちは、こんなコンビニには寄らないのでなおのこと、人は来ない。
来ると言ったらたまにくる高層マンションの人たちか、この道を通る町内外の人達だけなのだ。
店長、なんでここにコンビニ建てたんですか。
「いらっしゃいませー」
下らない考え事をしている間に、お客さまが1人。
駆け足で駆け込んできた長身の人。入るなりレジにやってきたのでタバコを買いに来たんだなあ、と察する。
「あの、タバコください」
「はい、番号は何番で……？」
「あ、キャスです。キャス」
高校３年生、このコンビニのバイトを初めてもう半年になる。
番号を言わないで、銘柄で言うお客さんは少なくない。
でも、未成年、バイトを初めて半年、タバコは吸わない！の3点セット持ちの私は銘柄で言われても分からないのだ。
「すみません、番号で言っていただけるとありがたいのですが、」
「あ〜！ごめんなさい、206番です！1番上の右側のやつ！」
「かしこまりました」
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作者名：よなはら | 作成日時：2020年8月15日 0時
