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黒羽はそう告げた後、続けて口を開き
「まァ…私は今まで散々、アンタに嫌がらせしてきましたし……やり返されても文句は言えませんね。」
木箱の蓋をそっと閉じながら、不死川に対してそんな言葉を投げ掛ける。
「それにしても…私はてっきり、アンタは生粋のマゾだと思ってましたけど…意外にもSっ気あるんですね。」
「…痛い所突かれましたよ、アンタ…なかなか人を虐める素質あるんじゃないですか。___」
軽快な口調で話しながら、黒羽が背を向ける中
不死川は怪訝な表情を黒羽へと向けて、
「お前…さっきから何の話してンだァ？」
そう尋ねると、黒羽は不死川の方へと振り返り
先程受け取った木箱を見せつけるようにして、
「まァ…要するに、これ気に入ったって事ですよ。」
「不死川さん、ありがとうございます。…大切に使わせていただきますね。___」
ふっと笑みをこぼしながら、不死川に対してそんな言葉を投げ掛ける。
不死川は「…おう、」と言葉を返した後
「(素で笑ってる方が…ずっと良いンだけどなァ…、)」
黒羽に対して、そんな事を思っていると
「あ、不死川さん。」
黒羽がふたたび口を開き、声を掛けて来たかと思えば
「返事は…『保留』という事でお願いします、」
「普段の私であれば…アンタなんか論外なんで、即振りますけど…良い物貰いましたし、今回は猶予あげますよ。」
「…その間もし、私の気が変わるような事があれば……その時はしっかり責任取って下さいね。___」
淡々とした口調でそう告げると同時に、不死川に背を向け歩き出す。
「は…？責任？…お前、何いって___」
不死川はそう尋ねるものの、
黒羽は不死川の言葉を待たずして、颯爽とその場を立ち去り
「(無知でいる事は…罪ですよ、不死川さん。)」
そんな事を思いながら、自室へと繋がる廊下歩く。
自室の前へと辿り着くと、そこにはカナヲの姿があり
カナヲは黒羽を目にするなり、側へと近寄り
「……」
無言で黒羽の顔をまじまじと眺めたかと思えば、
先程はなかった、黒羽が持つ木箱へと目を向けて
「風柱様から…貰ったの…？これ、大丈夫な物…？」
そう尋ねてきた為、黒羽は思わず苦笑を浮かべながら
「カナヲ、案外疑い深いね…大丈夫。爆発したりとかしないから、___」
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作者名：雫 | 作成日時：2023年9月18日 10時
