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___その後、食事を終えた二人の目の前には
…家主が気を利かせたのか、ぴったりとくっつけられた布団が床へと並べられており
「……」
不死川が若干苛立った様子で、黙り込む中
黒羽は並べられた布団に目を向けたかと思えば、
「…不死川さんは、子供何人欲し___」
「黙れェ」
そう言葉を発するものの、後の言葉は不死川によって即座に遮られる。
「そんな食い気味に言わなくても…冗談ですよ、ピリピリしないで下さい。」
黒羽がそう言いながら布団を離す中、
「___不死川様、黒羽様…頼まれていた物をお届けに参りました。」
廊下から声が聞こえ、不死川が襖を開けると
そこには鎹鴉の言伝を受け、藤の家へと足を運んだ隠が立っていた。
「こちらが…不死川様の隊服で、こちらは黒羽様のものになります。」
「刀の方もそれぞれお持ちしましたので…、どうぞお受け取り下さい。」
「おう、悪ィなァ___」
不死川は隊服が包まれた風呂敷と刀を受け取り、部屋の中へと戻ろうとすると
「あ…！あとこれも…黒羽様に頼まれたものです、」
隠は懐から錠剤が入った小瓶を取り出し、それを不死川へと手渡す。
「……」
不死川が黙ってその小瓶を受け取る中、
「では…私はこれで失礼いたします。また何か御用があれば、いつでもお申し付け下さい。___」
隠は深々と頭を下げ、颯爽とその場を後にした。
不死川は静かに襖を閉めた後、
「これ、お前の隊服と刀と…___」
少し言葉に詰まるような様子をみせながらも、
隊服や刀と共に、受け取った小瓶を黒羽へと手渡す。
「あァ…どうも、」
黒羽は不死川の様子を気に留める事なく、小瓶を受け取った後
「私、明日の朝早いんで…もう寝ようかと思うんですけど、不死川さんはどうします？まだ起きてますか、」
受け取った刀と隊服を確認しながら、そんな言葉を投げ掛ける。
対する不死川は、鞘から抜いた刀を眺めながら
「俺ァ刀の手入れしてから寝るからよォ…なるべく静かにやっとくから、お前は先寝てろォ___」
そう告げると同時に、黒羽に背を向けるようにしてその場に腰を下ろし
一人黙々と刀の手入れを始めていく。
「……」
黒羽は不死川の後ろ姿に、一瞬目を向けた後
不死川に背を向けるかたちで床へと就き、静かに瞼を閉じた。
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作者名：雫 | 作成日時：2023年9月18日 10時
