検索窓
今日:18 hit、昨日:27 hit、合計:13,395 hit

67 ページ18

アオイがそう答える中、不死川の脳裏には以前胡蝶に掛けられた言葉が浮かび












『彼女が何故、あなたの前だけ…必要以上に笑顔を取り繕うのか……その理由をよく考えてみて下さい。』












「(___そう言われたけどよォ…未だに分からねェンだよなァ…)」



そんな事を思いながら頭を悩ませていると、アオイがふたたび口を開き



「でも、紫は…不死川さんの前だとよく笑っていますよね。」



「紫にとって、不死川さんは特別なんでしょうね。少しだけ…羨ましいです、」



微かに笑みをこぼしながら、不死川に対してそんな言葉を投げ掛ける。



対する不死川は、少し驚いたような表情を浮かべた後



「特別…って言ってもよォ、そこに良い意味なんて無ェだろォ」



「アイツが俺の前で笑うのは…俺を恨んでるからで…、嫌味のつもりであんな笑顔取り繕ってンだろォよ…。」



視線を下へと落としながら、不死川がそう告げる中



アオイはそんな不死川を目にし、少し間を置いてから静かに口を開く。



「紫は…不死川さんの事、恨んでないと思いますよ。」



「むしろ…不死川さんの事、心配しているというか…気に掛けているような感じが度々しますし…。」



アオイはそう告げた後、何か思い出すかのようにして



「四年以上前の話になりますけど、紫が此処を出て行った後…私、紫と文通していたんですよ。」



「その手紙の中に…不死川さんの事を気に掛けるような内容が時折、書かれていましたよ。」



「『怪我してないか』だとか『ご飯は食べているか』…だとか、あとは…そうですね___」















「『 ちゃんと笑えているか 』」















「___そういった内容も、書かれていたような気がします。」



アオイはそこまで告げた後、真っ直ぐな視線を不死川へと向けて



「紫は…不器用なりに、不死川さんのことを思っているかと思います。」



「確かに、不死川さんが言うように…紫のあの笑顔は、取り繕ったものに見えますけど…」



「でも、あれは…決して嫌味だとかではなくて、…きっと紫は____」



アオイがそう言い掛けた時だった。



「善逸さーん!何処に行くんですか、お薬ちゃんと飲まないとダメですよ…!」



「無理無理!!こんな苦い薬飲めないって、そもそもこれ飲んで本当に治るの!?ねぇっ、!?」



「善逸さん、落ち着いて下さい!他の方も療養されているので、屋敷内ではお静かにして下さい…!」

68→←66



目次へ作品を作る
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.5/10 (27 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
66人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名: | 作成日時:2023年9月18日 10時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。