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その後、不死川はアオイが慌てて用意した食事へと手を付ける中で



「不死川さん、アンタ手怪我してますし…それじゃ食べづらいでしょう。代わりに食べさせてあげますよ、」



「自分で食うからいい…早く箸返せェ」



黒羽にそんな言葉を掛けられ、すぐさま断るものの



「まァそんな事言わずに…、人の親切は素直に受け取っておくべきですよ。ほら、早く口開けて下さい。」



「(親切…ねェ…、絶対何か企んで____)」



不死川がそう思い掛けた時だった。



「…熱ッ、」



頬に何か熱いものが触れたかと思うと、



「あ…すみません、口の位置間違えました。此処でしたね、___」



次は眼球目掛けて当ててこようとした為、不死川は黒羽の腕をすぐさま掴み



「テメェ、ふざけンのも大概にしろォ…」



「ふざけてませんよ、不死川さん人外なんで構造よく分からなくて……少し間違えたくらいでピリピリしないで下さいよ、」



「誰が人外だァ…?腕折るぞクソガキ」



二人がそんな会話を交わしていると、



「…不死川さん、怪我の具合を診に来ました。お邪魔しますね、____」



戸を叩く音と共に、胡蝶の声が聞こえ



黒羽は一旦箸を置き、部屋へと入って来た胡蝶の方へと視線を向ける。



「あら、紫…こんな所で何をしているんですか…?」



「不死川さんが…手を怪我して、食べにくいと言っていたので…手伝ってあげようかと。」



「そうでしたか、てっきりまた…不死川さんに何か意地悪でもしているんじゃないかと思いましたが……それなら良かったです。」



そう言って胡蝶がにこやかに微笑む中、



「(何も良くねェ…、)」



不死川は内心ため息を吐きながらも、胡蝶の診察を受け



その間、黒羽は特に口を挟む事なく、胡蝶の後ろでその様子を静かに眺めていた。

















一通り診察が終わったところで、胡蝶は口を開いたかと思うと



「不死川さん、運ばれて来た時から気になっていたんですが……その口元の傷はどうされたんですか?」



「任務中、何かに噛まれでもしました…?」



不思議そうな表情を浮かべながら、不死川に対してそんな問いを持ち掛ける。



その問いかけに、不死川が決まりの悪そうな表情を浮かべる一方で



黒羽は素知らぬ顔で、胡蝶の後ろに立っており



「(何て…言えばいいンだァ…)」



不死川が返答に困った様子を見せると、黒羽が口を開き



「師範、ちょっと耳貸して下さい。____」

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作者名: | 作成日時:2023年9月18日 10時

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