検索窓
今日:41 hit、昨日:51 hit、合計:14,030 hit

ページ ページ2

その後、悲鳴嶼さんの所有する岩屋敷へと辿り着き



「今日は…ありがとうございました。またご一緒する事があれば、よろしくお願いします。」



深々と頭を下げ、そのまま立ち去ろうとすると



頭にポツンと雫が落ちるような感覚があり、



顔を上げると、厚い雲で覆われた空からは、雨が降り始めていた。



足早に自分の屋敷へと戻ろうとすると、



「星宮、雨が止むまでの間…私の屋敷で休むといい。」



「あ…はい、…ありがとうございます。」



悲鳴嶼さんにそう声を掛けられ、共に屋敷の中へと上がり、



悲鳴嶼さんは私を客室へと通した後、一旦自室の方へと向かっていった。



私はそこで、悲鳴嶼さんが戻るのをしばらく待っていたが



「(悲鳴嶼さん…遅いな、何かあったのか…?)」



悲鳴嶼さんは中々戻らず、襖に手を掛け、一旦客室を後にする。



辺りを見渡しながら、悲鳴嶼さんの姿を探していると



角を曲がった所で、出会いがしらに誰かとぶつかり、



後方へと倒れそうになったところを、目の前の少年に支えられる。



「…っ、すみません…!大丈夫ですか、!?」



よそ見をしていた私が悪いと言うのに、彼は申し訳なさそうに謝ったかと思えば



支える際に、私の腰へと回した手をすぐさま離して



「…本当に…、…すみません……っ…、…。」



私と距離を取り、顔を伏せながら二度目の謝罪をした。



「(見慣れない隊士だな…、最近入った奴か…?)」



そんな事を思いながら、彼に近づき、顔を覗き込む。



…鋭い目つきに、鼻一面を横切る大きな傷跡。



柄の悪そうな見た目ではあるが、言葉遣いは至って丁寧で…彼に対しては、良い印象を受けた。



その後も、彼の顔をじっと見つめながら



「(誰かに…似てる…。)』



そんな事を思っていると、彼は私の視線に耐えきれなくなったのか、口を開いて



「お、俺…これから任務あるので…、…し、失礼します…っ!___」



そう言って、足早に私の前から去っていった。



その後、悲鳴嶼さんの姿を見つけ、先程の彼について尋ねると



「…玄弥の事か。玄弥は私の弟子で、不死川の弟だ。」



「(アイツ…弟、居たのか…そんな話、一度も聞いた事ないぞ…。)」



私は一年半ほど、アイツの下で過ごしてきたというのにも関わらず



「(意外と…私は、アイツの事知らないのかもな。___)」



悲鳴嶼さんが出してくれた湯呑みを手に取りながら…ふと、そんな事を思った。

次ページ→←気づき



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (41 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
239人がお気に入り
設定タグ:鬼滅の刃 , 不死川実弥
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

よっしー(プロフ) - はじめまして!実弥が好きでこの小説に出会い、春雷と星屑を一気読みしちゃいました!面白かったです!どちらの作品もすごく良かったので、また他の作品も楽しみに読ませていただきます!久々にキュンキュンしましたー✨ (9月29日 6時) (レス) @page50 id: 9a6c96b2f0 (このIDを非表示/違反報告)
Kk - この小説すべて読みました。とてもおもしろいです。よければ現代のほうも書いてください。まだまだ暑い日が続いてるので体調に気をつけて元気に過ごしてください (9月11日 15時) (レス) @page50 id: 51f0cf609d (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名: | 作成日時:2023年7月27日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。