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後日、不死川は星宮の怪我が回復した頃合いを見て



「今日から稽古つけてやらァ、さっさとそれ持って構えろォ」



縁側に座り込む星宮に近づき、木刀を手渡す。



星宮は手渡された木刀をじっと見つめた後で、不死川に目を向けて、静かに口を開いたかと思うと



「まだ、怪我…治ってないから、無理。」



「嘘つくんじゃねェ。お前…昨日から任務復帰してんの知ってんだからなァ、こっちはよォ…」



「ほら、さっさと立ちやがれェ」



不死川がそう促すも、星宮は動こうとはせず



木刀をその場に置いて、そっぽを向きながら



「こんな事したって…意味ない。時間の無駄。」



「今こうしてお前とぐだぐだ話してる方が、時間の無駄だろうがよォ…、…お前、呼吸使えるようになりたいんじゃねェのか。」



不死川の問いかけを受け、星宮の身体がピクリと反応する。少しの沈黙が流れた後で、星宮は口を開いて



「私が…使えるようになりたいのは『星の呼吸』…。…だから、お前に習う事なんて何一つない、___」



ハッキリとそう告げた後、星宮は立ち上がり、そのまま何処かへと去っていった。



「(勿体無ェなァ…、戦う才能はあるってのによォ…自分で可能性狭めやがって…___)」



不死川はそんな事を思いながら、軽くため息をついた後



持て余した時間を活用するために、隊士数名を自身の屋敷に併設する訓練所へと呼び出す。



呼び出された隊士たちは、つい最近不死川と共に任務をこなした隊士ばかりで、



「(な…何で呼び出されたんだ…?俺…何かしたのか…?)」



「(風柱様…やっぱりいつ見ても怖ェ…。俺たち…これから何されるんだ…、…)」



隊士たちがそんな事を思っていると、突如不死川の鋭い視線が向けられ、



「お前らァ…、何で俺に呼び出されたか分からねェ…って顔してるなァ…」



そう言った後で、不死川は威嚇するかのようにして、持っていた木刀を勢いよく床に叩きつける。



隊士たちの肩がビクリと跳ねる中、不死川は続けて



「……テメェらが弱いからだァ…、あの程度の鬼にやられるなんてよォ…。…テメェらのリハビリも兼ねて、この俺が特別に付き合ってやらァ、____」



そういって、不死川は回復直後の隊士たちに容赦なく木刀を振るう。



訓練所から悲鳴が響き渡る中、その付近に人影が見えたかと思うと



「………、___」



先ほど去った筈の星宮がそこには居て、物陰から静かに訓練の様子を眺めていた。

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作者名: | 作成日時:2023年6月12日 2時

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