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その後も、不死川は暇を見つけては星宮に稽古をつけようとするが、



「………。」



星宮は稽古に応じず、ただ黙り込んで不死川から目を背けていた。



一方で、不死川は星宮にそんな態度をとられる度に



「___…オイ、さっさと立てェ。…この程度でバテてるようじゃ、やってけねェぞォ」



「(風柱様…いつもに増して怖すぎィ…もう無理…。)」



苛立つ気持ちを若干ぶつけるかのようにして、他の隊士の訓練に付き合っていた。



そんな中、星宮は不死川からの稽古を断りながらも、



「(……アイツ…また来てやがる…。毎回俺の稽古断る癖に…どういうつもりだァ、…?)」



気づけば訓練所の隅で、訓練の様子を静かに眺めていた。



訓練が終わったタイミングで、不死川は星宮に声をかけようとするが



星宮は不死川がこちらに近付いてくる事に気づくと、すぐさま立ち上がって、何処かへ去ってしまう。



「(何がしてェんだアイツは…、…__)」



星宮の不可解な行動はこれだけに留まらず、



不死川と同じ任務に当たった時は、星宮は何故か不死川の方に視線を向けていることが多かった。



「お前…俺に何か用でもあるのかァ?さっきからジロジロ見やがってよォ…」



「…見てない、」



そう言って、星宮は不死川から視線を外し、距離を取る。そんな事が何度か続き、



「(…ったくよォ…、つくづく分からねェ奴だなァ…。何考えてやがる…、)」



星宮の理解できない行動に頭を抱えていると、不意に背後から親しげに、肩へと腕を回される。



「よォ、不死川。」



振り返るとそこには音柱、宇髄天元が立っていた。宇髄は不死川に対して、唐突に



「お前の屋敷によく出入りする隠から聞いたけどよ…、お前…継子取ったんだって?」



「継子…?…アイツの事かァ?…アイツは別に、継子じゃねェぞォ」



不死川がそう答えると、宇髄はキョトンとした顔を浮かべて



「そうなのか…?じゃあ何で屋敷に置いてるんだよ、」



「…何で…だろうなァ、…。…、」



不死川はそう言いながら、視線を落とす。



そして、そのまま何かを考え込む不死川に対して、宇髄は口を開き



「まァ、とりあえず…今度お前の屋敷に遊びに行くから…その時ソイツ紹介しろよ。お前が気に留める奴がどんな奴か…、興味あるしよ。」



そう話す宇髄に対して、不死川は若干嫌そうな顔を向けながら、



「……来んじゃねェ、…来ても絶対入れねェからなァ___」

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作者名: | 作成日時:2023年6月12日 2時

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