【黒バス】夏のはじまり、恋のはじまり【黄瀬涼太】

ストレートな言葉 ページ28

そういえば、ここに来たのには理由があった



それを聞かずに戻ると赤司っち達に怒られるだろう



黄｢ねぇAっち、さっきグラウンドの方見てた？｣



『うん、涼太くん足速いね。さすがバスケ部』



あっさりと頷いたうえに自分の名前が飛びだし、黄瀬は目を見開く



黄｢えっ、えと…｣



『かっこいい』



ストレートな言葉に頬が熱くなるのが分かる



(照れくさいどころじゃないんスけど！
好きな子に ｢かっこいい｣ なんて言われて嬉しくない男なんているはずないっス！)



緩みそうになる口元を慌てて手で隠すと



横からクスクスと笑う声が聞こえた



『涼太くん、照れてる』



そう言ったAっちは驚きつつもどこか楽しそうだ



いつものぶすっとした表情とは正反対で



口角が上がり大きな瞳は和らいで見える





(やっ…ば。)




ドクンと鼓動が大きく跳ねた



部活の時のように走ったわけでもないのにそのままどんどん加速していく




息苦しい。




黄｢ぶ、部活中にごめんっス。また、明日｣



くるりと背を向け、返事も聞かずに美術室をあとにした





廊下を突っ走り、階段の踊り場についたとこで誰もいないことを確認し、顔に手を伸ばす



頬は熱を持っていて温かかった





なんで……






黄｢なんで、Aっちって、あんなに可愛いんスかね…｣

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