【黒バス】夏のはじまり、恋のはじまり【黄瀬涼太】

忘れるはずがない ページ25

黄｢わぁ…綺麗っスね｣




俺、この絵好きだなぁ




誰の作品なのか確認しようと作者名を見ると





白藍 A





と書いてあった



黄｢え！？この絵、Aっちが描いたんスか！？｣




『うん、そうだけど…どうかしたの？』




黄｢めっちゃ綺麗っスね！さすがAっち！｣




『…ありがと』




黄｢えー、すごいっスねー…｣




食い入るようにその絵を見つめた




藍色と橙色の他にも紫や青や黄色、赤などたくさんの色を使っている




画材は水彩かな？




『…あんまり見ないで、恥ずかしいから』




振り返るとAっちは俯いていた




ショートの髪でよく見えないけれど




きっと照れている




あーもう、かわいいなぁ




黄｢もっと自信もっていいと思うっス！こんなに上手なんだから。美術て…｣




美術展にだせばいいのに、その言葉は彼女によって遮られた




『その絵、実はね、涼太くんと一緒に見た景色なんだよ。覚えてる？』




応援旗の制作を進めながら彼女は言う




黄｢え…｣




あの時、俺と一緒に見た景色…？




『忘れちゃったかな…あの景色、すごい綺麗だったから絵にしたいなぁって思って』




黄｢わ、忘れるわけないじゃないっスか！！｣




思わず大きい声が出た




Aっちがビクりと肩を動かす




『えっ、あぁ…うん…？』




黄｢ご、ごめん！急に大きい声出して…｣






忘れるはずがない






俺が恋に気づいた日のことだ

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