なぜか、私があのアイドル全般のメイク担当になった。4 (ページ13)

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112、私なんかが！？ページ13

「ほ、本当にいいんですか･･･？櫻井さん･･･」

　今目の前に櫻井さんのマネージャーさんの車が。

　ほんとに来たんだって驚いたけどね。

　
「いいんだって。ほら、早く。盗撮されてるかもしれないから、早く」

　そうだ、櫻井さんは大人気スター。

　追われていてもおかしくない。

　じゃあ、お言葉に甘えて―――！！

「本当によかったんでしょうか･･･」

「いいの。気にしないで」

　
　どうしよう、本当に乗っちゃった･･･！！

　今すぐここから逃げ出したい気持ちでいっぱいだ。

　となりに櫻井さんがすわって携帯をいじってる。

　そんな横顔もかっこよく、綺麗だった。

「ウチの櫻井がお世話になっているようで。ありがとうございます。藤咲さん」

　へ･･･？

　これは多分私に向けた言葉だ、そう理解するのに時間が必要だった。

　櫻井さんのマネージャーさんが言ったとも。

「い、いえ！そんな。私の方こそ、ありがとうございます！」

　･･･あれ？

　なんで･･･私の名前知ってるんだ？

　そんなことを思っていると。

「で、ウチの櫻井とはどういう関係なのですの･･･？？」

　えっ！？

　ニヤニヤしたかのような笑みを浮かべながらそう訊いてきた。

　そういうことを訊くとは流石に思わなくて。

　かなりな整った顔立ち。そして東大生みたいな眼鏡男子。
　
　私のタイプにちょっとドンピシャかもしんない･･･。

　な、なわけないでしょう！

「ちっ違うからね！？思ってるような関係じゃないからね！わかった！？浅泉！」

　
　焦ったかのような声の櫻井さん。

　そこまで、なんで？

　そう思ったけど、このマネージャーさんの名前がわかった。

　
　浅泉さん。(あさずみ)

　
　あれ･･･。浅泉？

　どっかで聞いたことがあるような･･･。

　
「そうなんですか？櫻井に彼女ができたのかと、てっきり」

　―――はい！？

「ち、違います！こんな、国民的スターなんかに、私なんて･･･」

　本当のことだ。

　大人気のスターに私なんかが･･･。

「そうなんですね。･･･まあ期待しております」

　期待？

　え？

　やばい、顔が赤くなってるよ、これ絶対！

　