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episode52 ページ6





『…みんな頑張るんだね』

激しく機体が揺れるほどの激闘を繰り広げている三人
ヨコハマという街を懸けた闘いだというのに、結局は全員己の為に闘っているというのが実に滑稽だ。


そこまでして本を手に入れ望みを叶えたいのか。
強さを示し恩師に認められたいのか。
自分の存在意義を見出したいのか。
……私には、どれも理解できない。


『まぁ最も、他人に理解を求めている奴なんてこの場にはいないでしょうけど』



一際肌に強く肌に突きつけられる圧を感じて視線を前に向ければ、禍々しいほどの膨大な力を得ているフィッツジェラルドが目に入った。
彼の異能は、確か自身の資金を力に変換させるものだったか。


何とも限定的で、使いこなせる人間が限られた異能。
私なら、一時的な力の為に財産を灰にすることなど絶対に出来ない。



けれどこの男はその一瞬の為に自身の持つ全てを懸けることができるのだろう。



居場所を持っていながらも、全てを失くす覚悟。
それが、組合の長の覚悟だ。



そして、それでも尚彼に立ち向かう龍之介と人虎くんにも、それなりに覚悟があるのだろう。





『…そうでなければ、あの人達を超える双黒(コンビ)になんてなれやしないのだから』







龍之介の羅生門を身に纏った人虎くんが、フィッツジェラルドに豪快な一撃をくらわせる。
満身創痍の、最後の一撃。
それを受け止め切ったフィッツジェラルドだったが、
彼もまた力尽きたようにふらりとバランスを崩し、
白鯨から転落していった。


組合の長の、なんとも呆気ない最後。






暫く呆然としていた龍之介と人虎くんだったが、ふと我に返ったように人虎くんが「制御端末!」と騒ぎ出す。相変わらず元気なようで何よりだ。


「愚者め、最後の攻撃の刹那奴の背広から抜き取った」

龍之介が羅生門に絡めていたソレを奪い取るようにして、人虎くんが端末を必死に操作する。

「は、は、早く止めないと!」

どうやら、その端末が白鯨の落下を止める最後の手段らしい。
ほっと息をつく人虎くんの様子から、何とかこの機体の落下は防げたようだった。


安堵からぺたりと膝を地につける人虎くんに、龍之介は容赦なく蹴りを入れ「今すぐ四つ裂きにしてやりたいが生憎力を使い果たした。今は此れで我慢しておけ」と彼を踏みつける。


そんな龍之介に抗議の視線を向ける人虎くん横目に、
『師弟揃って足癖が悪いな…』と私は呑気にそんなことを感じていた。

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暁月臨(プロフ) - きなこもちさん» きなこもちさんのペースで頑張って下さい!! 気長に待ってます!!(*≧∀≦*) (6月21日 21時) (レス) id: 59dc159e7e (このIDを非表示/違反報告)
きなこもち(プロフ) - 暁月臨さん» 暁月臨さん嬉しいお言葉ありがとうございます、更新止まり気味ですがそう言ってもらえるととても励みになります!頑張りますm(_ _)m (6月21日 18時) (レス) id: 869b2e483e (このIDを非表示/違反報告)
暁月臨(プロフ) - この作品大好きです!更新よろしくお願いします!!頑張って下さい!!! (6月18日 23時) (レス) @page20 id: 59dc159e7e (このIDを非表示/違反報告)
ミミ(プロフ) - きなこもちさん» 了解しました! (2021年11月11日 12時) (レス) id: 3c71f1d526 (このIDを非表示/違反報告)
きなこもち(プロフ) - ミミさん» 私の端末が最近重くてボード開かないので、確認出来次第お返事します、すみませんm(_ _)m (2021年11月11日 0時) (レス) id: 8cb9599803 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:きなこもち | 作成日時:2021年9月23日 20時

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