episode24 ページ26
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『あら、随分遅かったですね。外国の方って時間にルーズな方が多いんですか?』
必要な情報を調べ上げ、組合に手紙を送りつけてから2日後の、よく晴れた日の午前中。
此方が指定した場所に、少年と大柄な男が姿を見せた
「いやぁ、悪かったね。異国で土地勘がない上に移動手段が徒歩なもので」
待ち合わせの時間よりも30分遅れで現れた彼等に率直な現在の心境を述べれば、特に悪びれた様子のない 陽気な声が返ってくる
『それは、態々ご足労ありがとうございます』
「どういたしまして。…で、此処に居るのは君だけかい?」
キョロキョロと辺りを見回す彼の名はジョン・スタインベック
組合の異能力者で確か能力名は【怒りの葡萄】
『そうですけど。ご連絡差し上げた時に申し上げませんでしたっけ?今日は只、貴方達に“善いお話”があるだけだって』
「うん。でも伏兵が居る可能性もゼロではないだろ?」
『……』
若し、彼等が本当に此方に伏兵がいると予測していて、其れでもたった二人で此処に来たのだとしたら──
「…そんなに怒らないでよ。君だって、此方が何人で来るかもわからない、寧ろ其方の失態で取引が失敗に終わっている組合が 素直に来ると本当に思ってた?奇襲とか疑わなかったの?」
ジョンの問いには答えず、口元だけの笑みを浮かべれば 彼もまた、面白そうに口元を緩めた
「ほら、お互い様じゃないか」
「…つまり、どういう事だ?難しい話は私にはわからない」
と、此処で漸く二人組のうちのもう一人が口を開いた
ジョンより大柄で、長髪。怠いのか眠いのか、はたまた やる気がないのかは知らないが兎に角負のオーラが漂っている、そんな男。
「簡単に云えば、お互い相手を見くびってるってことさ」
「…そうか」
組合の資料にも、彼の事は何も書かれていなかった。名前も写真も、存在すらも知らなかった
───彼は何者?
「彼はラヴクラフト。僕の相棒だよ」
私の視線で思考を読み取ったのか、ジョンはご丁寧に彼を紹介してくれた
「でも、僕の事は知ってるんでしょ?因みに僕も、君の事は知ってるよ」
『あら、それは光栄な事で』
「神崎A、17歳。ポートマフィアの構成員。実力はあるのに幹部になろうとしない、異能力持ちの女の子。マフィアに入る前は組織を転々としていて、色々大変だったみたいだね」
過去の君の通り名も知ってるよ、と楽しそうに彼は云う
──嗚呼、この人私の嫌いなタイプだ
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きなこもち(プロフ) - わたあめさん» ブックマンJr.放置していてすみません。最近自分でも迷走しててどこに突っ走っているのかわからなくなり放置状態にしてました。真逆更新待って下さる方がいるとは思わず・・・。でも、とても嬉しいお言葉です!頑張って今月中に更新します!! (2017年8月17日 7時) (レス) id: d6a64bf75c (このIDを非表示/違反報告)
わたあめ - ごめんなさい!生意気言って,,, (2017年8月16日 21時) (レス) id: 8f5f7e0649 (このIDを非表示/違反報告)
わたあめ - ブックマンJrの少女も更新して欲しいです!! (2017年8月16日 21時) (レス) id: 8f5f7e0649 (このIDを非表示/違反報告)
きなこもち(プロフ) - 赤雲蒼雲さん» 赤雲さん、ありがとうございます!とっても励みになりました!!更新とってもノロノロですが、これからも面白いと思って頂けるよう頑張ります! (2017年4月22日 19時) (レス) id: d6a64bf75c (このIDを非表示/違反報告)
赤雲蒼雲 - 面白かったです!更新頑張ってください! (2017年4月17日 11時) (レス) id: 08e4520087 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きなこもち | 作成日時:2017年1月2日 21時