episode23 ページ25
・
首領から直々に連絡を受け、拠点の最上階の扉を勢いよく開ける。
『姐さんが捕らえられたって…!』
どういう事ですか、と部屋の奥の机に居るであろう首領目がけて大股で詰め寄ろうとしたその行為は、私の視界に中也さんが映ったことで勢いをなくす。
「心配する気持ちはわかるけど、とりあえずノックはしてね」
『…すみません』
私の様子を見て困ったような、でも絶対少し楽しんでいる表情の首領に一言謝罪の言葉をかけてから首領の前に立つ中也さんの隣に並ぶ
隣から呆れたような視線を感じるが気づかないふりをして それで、と話を進める。
『姐さんを捕らえたのは何方の組織です?』
「探偵社の方だよ。全く、姑息な連中だねぇ」
『でも、
ピクリ、とほんの少し首領の眉が上がったのは気のせいだろうか。
「如何しましょう。我々と雖も五大幹部の一翼を取られては迂闊に手は…」
厳しい表情の中也さんと打って変わって首領は何かを閃いたように笑みを浮かべる
「よし!探偵社の社長を殺そう。暗殺が善いな。外部の殺し屋を使えば労力も掛からず私達は対
「手配します」
『…それなら、私は其の組合に
そうと決まれば早速行動。
書類片手にスマートな立ち姿の中也さんを目に焼き付けてから数分前に来た部屋を出た
─────
「相変わらず、君にひどく懐いているねぇ」
「え?」
森が態と落ち込んだようにそう云うと、急な話題の変換に対応できなかった中原は小さな驚きの声を上げる
「Aちゃん。あの子が自発的に任務を提案するなんて、珍しい。よっぽど中也君の役に立ちたいんだろうねぇ」
「はぁ」
「私にも懐いてほしいものだよ。…若しかして愛情が伝わってない!?ねぇ、私に足りないものってなんだと思う?」
自ら忠誠を誓った──そうでなくとも、組織の頂点の人間に足りないもの、なんて聞かれても答えられるはずもない。
「…俺は、ありのままの首領で充分かと」
「模範解答!でも、私が求めてる答えではないんだよねぇ」
「ええと…」
言葉に詰まる中原の代わりに、首領の横で洋菓子を食べ終わった幼女が口を開く
「中年は嫌われる運命よ」
この言葉の所為で、中原がこれまで以上に首領に尽くそうと心に決めたのはまた別の話
770人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
きなこもち(プロフ) - わたあめさん» ブックマンJr.放置していてすみません。最近自分でも迷走しててどこに突っ走っているのかわからなくなり放置状態にしてました。真逆更新待って下さる方がいるとは思わず・・・。でも、とても嬉しいお言葉です!頑張って今月中に更新します!! (2017年8月17日 7時) (レス) id: d6a64bf75c (このIDを非表示/違反報告)
わたあめ - ごめんなさい!生意気言って,,, (2017年8月16日 21時) (レス) id: 8f5f7e0649 (このIDを非表示/違反報告)
わたあめ - ブックマンJrの少女も更新して欲しいです!! (2017年8月16日 21時) (レス) id: 8f5f7e0649 (このIDを非表示/違反報告)
きなこもち(プロフ) - 赤雲蒼雲さん» 赤雲さん、ありがとうございます!とっても励みになりました!!更新とってもノロノロですが、これからも面白いと思って頂けるよう頑張ります! (2017年4月22日 19時) (レス) id: d6a64bf75c (このIDを非表示/違反報告)
赤雲蒼雲 - 面白かったです!更新頑張ってください! (2017年4月17日 11時) (レス) id: 08e4520087 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:きなこもち | 作成日時:2017年1月2日 21時