episode10 ページ12
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『先程は大変失礼いたしました。改めまして、神崎Aです』
隣で心底楽しそうに笑っている太宰さんを無視して目の前の2人ーー先刻私の回し蹴りを喰らった男性と人虎くんに簡単な自己紹介をすれば 彼等も慌てたように名を名乗る
「あっ…えっと、中島敦です。少し前から探偵社で働いています。その節はありがとうございました」
「俺は国木田だ。同じく探偵社で働いている。先刻は悪かったな。…だがいくら自分が被害を被ったとは云え足技を披露するのは如何かと思うぞ」
『家訓が“危害を加えてきた敵には徹底反撃を”なので』
にこりと笑ってそう返すと、国木田さんは蹴られた頬を軽くさすりながら顔をしかめた
「ーーところで、太宰さんと神崎さんはお知り合いの様ですけど、お二人のご関係って…?」
『只の元仕事仲間』
即答すれば 横から不満の視線、前方から何故か期待の声が上がる
「じゃあ、太宰さんの前職ご存知なんですか!?」
『え、うん…。今の私の職業だし』
キラキラと目を輝かせ始めた人虎くんに首を傾げ太宰さんに説明を求める視線を送ると 太宰さんは苦笑いを零した
「探偵社のちょっとした
『……まぁ、でしょうね』
前職がマフィアだなんて特異中の特異、中るわけがない
「最初に中てた人には膨れ上がった賞金70万が出るのだけれど、敦君は其れを欲しがってるってわけ」
成る程、それで先程から目の色を変えて必死に悩んでいるのか此の少年は。
「大手企業の販売員」
「違う」
「あ、旅行会社勤め!」
「ちがーう」
「じゃあ楽器演奏者!」
「ぶー。残念、今回も降参かな?」
うぅ…、と絵に描いたように項垂れる人虎くんを見て 楽しそうに太宰さんが笑う
『国木田さんは参加されないんですね。太宰さんの前職が私の今の職場だなんて最高のヒントだと思いますけど』
「俺は寧ろ難易度が上がったように感じるぞ。なにせ、お前らの様な奴らを雇ってくれる企業が思い浮かばんからな」
そう云って何とでもない風に国木田さんは静かに珈琲を啜る
この人、平気な顔で人の心を抉ってくるな…。
『これでも私はーー』
ブー、ブー、ブー、ブー
国木田さんの言葉に反論しようとしたところで 幸か不幸か携帯が鳴った
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きなこもち(プロフ) - わたあめさん» ブックマンJr.放置していてすみません。最近自分でも迷走しててどこに突っ走っているのかわからなくなり放置状態にしてました。真逆更新待って下さる方がいるとは思わず・・・。でも、とても嬉しいお言葉です!頑張って今月中に更新します!! (2017年8月17日 7時) (レス) id: d6a64bf75c (このIDを非表示/違反報告)
わたあめ - ごめんなさい!生意気言って,,, (2017年8月16日 21時) (レス) id: 8f5f7e0649 (このIDを非表示/違反報告)
わたあめ - ブックマンJrの少女も更新して欲しいです!! (2017年8月16日 21時) (レス) id: 8f5f7e0649 (このIDを非表示/違反報告)
きなこもち(プロフ) - 赤雲蒼雲さん» 赤雲さん、ありがとうございます!とっても励みになりました!!更新とってもノロノロですが、これからも面白いと思って頂けるよう頑張ります! (2017年4月22日 19時) (レス) id: d6a64bf75c (このIDを非表示/違反報告)
赤雲蒼雲 - 面白かったです!更新頑張ってください! (2017年4月17日 11時) (レス) id: 08e4520087 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きなこもち | 作成日時:2017年1月2日 21時