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episode36 ページ38





私が中也さんと対面出来たのは、結局白鯨から脱出した次の日になってしまった。
地割れや建物の崩壊など様々な障害物があり、中々に遠回りをさせられたのも時間のかかった要因ではあるが、一番厄介だったのは突如現れた街全体を覆うほどの煙幕だった。



たがそのお陰で街の崩壊は食い止められ、私も目的地をマフィアの商売拠点なんてだだっ広い範囲から拠点ビルに変更出来たわけなのでさほど文句は無い。





『中也さんっ…!』

「A!?何で此処に…」

白鯨に捕らえられたと情報が入っていたのか、中也さんは私がマフィアのビルに駆けつけてきたことをひどく驚いていた。
事情を説明し、白鯨から飛び降りてきたことを話すと中也さんはさらに目を丸くしながら、けれどわしゃわしゃと私の頭を撫でながら「よくやった、無事でよかった」と云ってくれた。




「感動の再会のところ悪いけど、私もいるんだよ」

『あ、首領。……ご迷惑お掛けして申し訳ありません』


素直にそう頭を下げれば、首領はニコニコと浮かべていた笑みを引っ込めて不思議そうな顔をする。


「おや、そこは『空気読んでください』って冷たい視線で一蹴りするところじゃないのかい?」

『……まぁ、普段はそうしますけど。今回は組合に捕まって失態晒してるので』

「でも、そのお陰で太宰君に人形が渡ったわけだ。過程はどうであれ大事なのは結果だよ。Aちゃん、君の功績は大きい」



本当にこの人は何を何処まで知っているのだろうか。
返答が怖いので問いはしないけれど、単純に怖いと思う。思わない方がおかしい。鳥肌が立った。




『じゃあ、やっぱり引っ込んでてほしいです』

「前言撤回早すぎない?」




首領が一人騒いでいるのを無視していれば、ビルの入り口に人影があるのを認めて。



『姐さんっ!!!!』

「太宰の奴に探偵社を追い出されましてのう」



私に抱きつからながら、姐さんは首領に「ほれ」と一通の手紙を差し出す。


「探偵社の社長から茶会の誘いだそうじゃ」


「…成る程、そう来たか」



にこり、と笑みを浮かべて首領が私を見る。




とてつもなく、嫌な予感がした。






「きっとこの話の発端にあるのはAちゃん、君だろう。責任を持って最後まで見届けるのも仕事のうちのひとつだと思わないかね?」


『……』



その後、拒否の姿勢を示し続けたものの中也さんによる「行ってこい」の言葉により私は首を縦に振らざるを得なかった。

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きなこもち(プロフ) - わたあめさん» ブックマンJr.放置していてすみません。最近自分でも迷走しててどこに突っ走っているのかわからなくなり放置状態にしてました。真逆更新待って下さる方がいるとは思わず・・・。でも、とても嬉しいお言葉です!頑張って今月中に更新します!! (2017年8月17日 7時) (レス) id: d6a64bf75c (このIDを非表示/違反報告)
わたあめ - ごめんなさい!生意気言って,,, (2017年8月16日 21時) (レス) id: 8f5f7e0649 (このIDを非表示/違反報告)
わたあめ - ブックマンJrの少女も更新して欲しいです!! (2017年8月16日 21時) (レス) id: 8f5f7e0649 (このIDを非表示/違反報告)
きなこもち(プロフ) - 赤雲蒼雲さん» 赤雲さん、ありがとうございます!とっても励みになりました!!更新とってもノロノロですが、これからも面白いと思って頂けるよう頑張ります! (2017年4月22日 19時) (レス) id: d6a64bf75c (このIDを非表示/違反報告)
赤雲蒼雲 - 面白かったです!更新頑張ってください! (2017年4月17日 11時) (レス) id: 08e4520087 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:きなこもち | 作成日時:2017年1月2日 21時

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