佰捌拾伍 −生じる綻び− ページ22
−A−
集会場所である神社に到着して､ドラケンの後ろから降りた武道くんと目を合わせたけど…二人になるのは難しそうだと悟った私たちは"また後で"と目配せした。
「オマエら先行ってろ。オレは後からAと行く」
『…え?』
「マイキー君？」
「…早めに来いよ」
五人は先に行ってしまい､何故か万次郎と二人きりになる｡
『万次郎…？』
「A…少しだけ充電させて」
『…!？』
そう言って近づいてきた万次郎に優しく抱きしめられた。
「全然…会えなかったから」
『…そうだったね』
"あの日"以来…何となく私たちの間には溝ができた…と思う。
今日まで会わなかったのはそのせいかもと思ってたけど…
色々調べたりして忙しかったのもあるのかな。
『…お疲れ様』
抱きしめ返しながら頭を撫でると､万次郎の腕に少しだけ力が込められた。
「風呂上がりのいい匂い」
『備え付けのシャンプーとかだし…万次郎も同じ匂いでしょ』
「Aの甘さと混じって…更にいい匂いする」
『すぐそうゆうこと…//早く行こ？』
「…行く｡でもその前に…キスしていい？」
顔を上げると少し不安そうな顔をした万次郎と目が合う。
_キスしていいかなんて…聞かれたの久しぶりな気がする｡
『…いいよ』
返事をすると､万次郎は軽く触れるだけのキスをしてすぐに離れ…「…行くか」と､手を引かれながら､私たちは石段に足を掛けた。
「そういやA､特服持ってこなかったんだ」
『え､あ……うん』
「…残念」ﾆｺｯ
『ごめん…』
「謝ってほしい訳じゃ…今度さ､」
『ん?』
「いや…何でもない｡前まで行ったらオレの隣に立って」
『わかった』
_いつもだったら､着るわけないでしょって返したかな…｡あれ？いつもって…どんな感じだったっけ……。
「「「お疲れ様です！総長！」」」
東卍のメンバーが頭を下げる中進むのは相変わらず慣れない。
でも今はそれ以上に､少し前を歩く万次郎の後ろ姿が､手を引かれているはずなのにやたらと遠くに感じて…
あの時…私はタイムリープの事がバレないように万次郎を拒絶した｡それに､万次郎が自分の事を話したくないと思っているのも何となくわかった｡それなら都合がいいと思ったのは事実だし､後悔はしてない。だから…これでいい。
_しっかりしろ…自分のやるべき事をやらなきゃ。
「これより東京卍會参番隊隊長任命式を始める!!!」
佰捌拾陸 −参番隊隊長任命式−→←佰捌拾肆 −こんな毎日がずっと…−
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 906人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「東京リベンジャーズ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
コーチン(プロフ) - 今まで見てきた中で一番好きです！ (2023年4月21日 17時) (
レス) @page48 id: 6fa0996070 (このIDを非表示/違反報告)
白鈴(プロフ) - 響さん» 響ｻﾏ！いつも嬉しき応援メッセージありがとうございます(*ᴗˬᴗ)⁾最近なかなか時間がなくて少しずつしか進めてませんが💦お言葉貰えると嬉しいです😂頑張ります！またぜひお立ち寄りください😊 (2022年8月15日 21時) (レス) id: 5cc7a0faea (このIDを非表示/違反報告)
響 - 好きすぎます！！！完結まで追いかけるので頑張ってください！！ (2022年8月6日 20時) (レス) id: c10ad436a6 (このIDを非表示/違反報告)
あいなーる - 完結しても応援させてくださいｯ！！この作品を作ってくださる白鈴様には感謝してもしきれません。いつも元気をもらえてるんです。絶対完結まで読ませて頂きますので！これからも頑張ってくださいね😍 (2022年7月5日 17時) (レス) @page45 id: 294a8a8caa (このIDを非表示/違反報告)
白鈴(プロフ) - あいなーるさん» あいなーる様の休憩時間になりますように(*ᴗˬᴗ)⁾ (2022年7月2日 23時) (レス) id: 5cc7a0faea (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：白鈴 | 作成日時：2022年3月9日 17時
