第1話「始まりは一つの着信音」 ページ2
この暑く長い夏休みは俺達にとって初めての事件が数多くあった。
藍田 ラン先輩がこの探偵所で働くことになってから3日目。俺が働きだして大体1年目くらいかな?
そしてここはクラウド探偵所の2階。主に茉さんと俺、基3日前からラン先輩。探偵所で働く人が使っている。
本や資料がぎゅうぎゅうに詰められた本棚。机に高そうな椅子。そしてソファーが2つその間に小さなテーブルがあり、可愛いらしいテーブルクロスがひかれてある。あとは、固定電話があるくらいかなと、まあ俺がそんな風に考えていると
「うわぁ、不味い。なにこれ」
「ん〜?・・・なんだラン?あーカイの茶を飲んだのか?お前勇者だな」
ソファーで寝ていた茉さんがラン先輩の声に反応して起きた。
「それってカイのお茶ディスってません?誉めてるんですか?」
「ところで莉は?」
「妹ちゃんですか?ソラと一緒に買い物に行ってますよ。」
ピロロロ
「何の音ですか?」
ラン先輩は初めて聞いた音にびっくりしていた。
「ここの固定電話です。茉さんでますね」
「迷惑電話なら断れよ」
俺はすぐさま電話を取った。
「もしもし、こちらクラウド探偵所です」
「それにしても本当に不味いですね。むしろ天才なんじゃ・・・」
「あいつは天才だよ」
「天才ってお茶を入れるのが下手なですか?」
「あいつが採用したんだ。それなりの天才だと思うぞ。ましてお茶を入れるのが下手な天才だったら・・・要らないよな」
いや、茉さん?聞こえてるんですけど・・・
「あいつって誰ですか?」
「そういや、ランは知らないか。この探偵所の社長と社員。ソラの母親と私の母親だ。」
「茉さん。依頼です。受けますか?」
茉さんはラン先輩と話すのを止め、俺に微笑みながら言った。
「どんな依頼も受けるぞ」
「分かりました。はい、すみません。その依頼受けます。はい、分かりました。それではカフェ〈アラン〉で、失礼します。」
俺は受話器を置いてから茉さんに向かって言った。
「茉さん、依頼について話しますが良いですか?」
「さぁ、話せカイ。ランも手伝ってくれるな」
「了解です。」
ラン先輩は敬礼のポーズを取った。
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作者名:伊豆木 有栖 | 作成日時:2017年4月12日 19時