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座ったまま北斗くんに手を振ると気づいてこっちに向かってくる。
北斗くんのおぼんにはA定食が乗っている。サバの味噌煮のセットだ。
さっき樹が座っていた席に座ると
『この前はほんとにごめんね、』
と申し訳なさそうに私の目を見つめる。
本当にこの人は時々子犬になる。きっと無意識なんだろうけど黒目をきゅるんとさせる。
ずるい。
『絶対埋め合わせする！』
と顔の前で両手を合わせて申し訳なさそうにする。
そんな気にしなくていいのになぁ
あっそれとは別で、と話を切り出す北斗くん。
『樹と話してたんだけど、バーベキュー行かない？』
｢えっ行きたい！｣
『おう、じゃあ決定な』
そう言いながらもぐもぐご飯を食べ進める北斗くん。
｢あ、ラーメンも待ってるからね｣
『ラーメンじゃなくてスープカレー奢る』
｢え！それ北斗くんが食べたいだけじゃん｣
『まじで美味いとこ見つけたんだって、Aにも食べさせたいの』
·····ん？？
Aにも食べさせたい？
呼び捨て·····？？？
思考がストップする。
『どしたの？そんなラーメンがいいの？』
無言が続いたから北斗くんが心配している。
｢え、今Aって·····呼び捨てされたからビックリして｣
『え？あー意識してなかった、呼び捨てじゃダメ？』
とちょっと困りながら笑っている。
｢ダメじゃない！！！！なんなら私も北斗って呼ぶし！！！！！｣
必死に答えると
｢ははは何言ってんの、全然いいけど｣
と眉尻を下げて笑う北斗くん。いや、北斗。
·····神様もしかして私に味方してますか？
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作者名：mem | 作成日時：2018年12月15日 2時
