打明 ページ20
「ね、、北斗?」
『うん?』
「赤ちゃんのこと、みんなに言おうかなって…」
『 ほんと?』
「うん…そろそろ言わないとかなって」
不安気な表情で問いかけてきた
あの妊娠報告から2週間ほど経った今
さっきグループ仕事が終わったばかりで
流石に樹の体調不良にメンバーも限界だって
病院に行ってくれって聞かなくて
それは俺も大丈夫って止めたけど今度の樹の仕事を
休みにするためにマネージャーも動き始めちゃってて
さすがにこのタイミングなのかなあって
樹も勘づいてたみたい
俺もいつかはきちんと仕事に区切りを付けないとって思ってた
けどなんて言われるか正直想像がつかなくて怖かった
俺がビビってどうすんだよ、ってね笑
『そうだよね。
言いに行こっか、 いつがいい?』
「んー、、明後日グループ仕事入ってたよね?午前」
『YouTube撮影でしょ?入ってる』
「…そんときかな?」
『 そうしよっか 』
メンバーに公表する日はあっさり決まった
ただ、その日が近づくにつれ不安も募る一方で
『樹、大丈夫。あいつらならきっと大丈夫だよ』
「…うん」
打ち明ける前日の夜、
俺の前には明らかに元気のない樹がいた
『樹?元気ないよ?』
そんなことを言っても小さく頷くだけで、
『緊張してんの?おいで』
そう言ってキッチンに立ってた樹を自分の方に抱き寄せる
『俺いるから、大丈夫だからね』
「っ、反対、されたらっ、」
『反対、?されないよ大丈夫。』
顔を見ずとも泣いてるのがわかって、
そりゃ不安だよなって、本人が1番怖いだろうしさ
『きっとみんなお祝いしてくれるよ』
「…っん」
『はやくねよ?明日体調悪かったらしんどいしさ』
「うん、、」
少し落ち着いた樹の手をひいて寝室に向かう
きっと大丈夫
あいつらならわかってくれる、
俺もそう信じることしか出来なかった。
確実じゃないけど、どんな反応をされるかは分からないけど
俺がしっかりしないとダメだなって
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作者名:ここあ | 作成日時:2023年3月25日 15時