第5話─入水─ ページ6
先程迄ヘラヘラと笑っていた兄貴の顔が一瞬で光を失ったように暗くなった。オマケに、目が冷たい………。
え、久しぶりに怒らせた感じ??
「え、ちょっ、そんな怒んないでよ!!」
なんか、ジリジリ寄ってくるんだけど!!怖い怖い。すると、私の肩をガシッと掴んだ。ビクッと肩を震わせると、今度は腕を掴まれて、また川に連れてかれる。
「ちょっと!!兄さん!!やめて!!!」
そんな事も聞いてない兄は私の腕を強く跡が出来るほど強く掴んで、川に入る、川の水の冷たさに私は背筋も凍っていた。私を川に突き倒した。そして、上から被さるように兄も倒れ込んだ。私は、何処か何故か安心していた。
暴れようかと思った、てか最初は暴れてた。でも、兄が若し、私を殺すのなら私は別に。嫌ではない。
バシャンと、水が
このまま、何もしないで、苦しいけど苦しさのあとの何も感じない、苦しくない世界に。
だけど、兄が水中で私を抱きしめたあと、すぐ水から上がった。
死ねなかった___
2人揃って服が濡れて、髪からぽたぽたと、雫が落ちた。
太宰「君が死んだ後に入水?笑わせないでくれ、その様な事もう二度と私の前で云わないでくれ、君が死ぬことなんて考えたくもないし、聞きたくもない……また私の前でそんな事云った時には君も道ずれに入水する、」
その目は何処か悲しそうに、何処か狂気に満ちて、何処か、冷たかった。
「ごめんなさい………」
太宰「Aには、すごく大変な思いさせてると思うけど、私は君を愛しているんだよ」
私の頬を包んで唇にちゅっと接吻をした。其れは、とても甘くほろ苦く感じた。兄と接吻なんて、まるで悪いことをしてる感じだった。唇に触れてる時間が長く、太宰の髪の毛先から水が
私は、こんな彼も悲しく感じた。
彼が、マフィアに居た時は死にたくなるほど彼は冷たく、私を痛め付けてた。其んな彼が私のことを大事に思うなんて思いもしなかった。
「兄さん、いい加減、入水辞めてくれないと私が本当に苦労するんです、っくしゅ!」
云ってる束の間に寒くてくしゃみをした。ぶるっと躰が震えた。そして、兄は其れを見て眉を下げて心配してきた。
内心誰のせいで、と思っていたが、入水で川に突き倒された時の、彼の表情が忘られなかった。
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うり太郎(プロフ) - まだ設定しか読んでいないのですが、純粋に異能力多すぎでは・・・?ただ思っただけなので、特に気に止めて頂かなくて結構です。 (2021年11月14日 21時) (レス) @page1 id: ccbe99882f (このIDを非表示/違反報告)
華紅薇(プロフ) - ともさん» ともさん!!コメントありがとうございます!一気に読んでくださったんですか!ありがとうございます(*^^*) (2021年9月6日 18時) (レス) id: b469182880 (このIDを非表示/違反報告)
とも - おもしろくて一気に読みました!更新楽しみにしてます!! (2021年9月6日 0時) (レス) id: 17c26d4027 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:魚Aya | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/maasasr/
作成日時:2021年8月14日 0時