第４３話─冷たい─ ページ44
その途端、周りの空気が冷たく冷えた。俺はそれでも怯まない。首領の口が少し上がっている。そして、椅子の背もたれに全体重を掛けながら口を開いた。
森「そうだったら何だと云うのかね？」
中也「太宰Aが、──女だと知っていながら、俺や芥川を試したのですか？」
森「試すなんて云い方は随分、癇に障るね･･････」
中也「失礼を承知で云っております」
森「まあいいだろう、そうだ、私は君らを試した。なら、私も一つ君に聞こう、中原君」
何を聞かれるのかと、内心ヒヤヒヤしてた。だが、それ以上に無が勝った。何も考えなかった。
森「君は、A君のことを全て知っているのかね？」
中也「全て･･･ですか？」
森「嗚呼、全てだよ、知らないのだね？」
黙ってしまった俺に対して、首領の言葉は続いた。
森「なら、A君の素性を見たのなら、君にはこれを訊く権利があるはずだ」
中也「何をですか？」
森「"彼女"の──過去をだよ」
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A＿side
中也に処置をしてもらったものの、腕に弾は埋め込まれて、水と共に赤い血も流れていく。顔も一緒だ。それは水に赤い絵の具が混ざったように薄くなり、腕を伝い、指の爪へ行き、冷たい床に垂れる。
痛い躰を洗い、冷たい水を頭から被りながら、俯いてた。若し、こんな自分を中也が嫌い始めたら、でも、本当は今気持ち悪がってるかも。
こんな躰なんて、要らない。生まれて来なければよかった。そう考えてた。
温かくなった湯に入り、腕とこめかみの痛みに息を呑み、顔を歪めてゆっくり入って、堪えてた痛みを息として吐き出した。
ポチャンと、髪から滴った雫が湯の水面に落ち、小さな波紋となって広がり何れ消えた。
てか、忘れてたけど、昨日黒服の部下に当ててた銃を中也に蹴り飛ばされて、その時に右手に当たってたけど、今では痣になっとるし。
「はぁー･･････っ、」
水面から出した腕をまじまじと見る、白くて、まるで女だ。いや、女だ。自分は女だ。男に簡単に襲われてしまう女だ。
考えれば考えるほど気持ち悪い。一応、先程包帯を持ってきといて、腕に巻き、晒を胸に巻いた。そして、ダボッとした服に着替える。見た目寝巻き。てか、これ寝巻き。
まぁいいや。
それで、タオルで頭を拭きながら部屋に戻るが、中也の姿がなかった。
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うり太郎(プロフ) - まだ設定しか読んでいないのですが、純粋に異能力多すぎでは･･･?ただ思っただけなので、特に気に止めて頂かなくて結構です。 (2021年11月14日 21時) (
レス) @page1 id: ccbe99882f (このIDを非表示/違反報告)
華紅薇(プロフ) - ともさん» ともさん！！コメントありがとうございます！一気に読んでくださったんですか！ありがとうございます(*^^*) (2021年9月6日 18時) (レス) id: b469182880 (このIDを非表示/違反報告)
とも - おもしろくて一気に読みました！更新楽しみにしてます！！ (2021年9月6日 0時) (レス) id: 17c26d4027 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：魚Ａｙａ | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/maasasr/
作成日時：2021年8月14日 0時
