3.お話しましょう?…死ぬ瞬間まで。 ページ4
…僕は洗脳をしているだけ。
実際に殺すことはあまりないのに。
サイコパスな能力者、なんて呼ばれて、皆僕を殺そうとしてくる。
右手でスマホを弄りながら、暗い夜道を歩いて行く。
ガサガサと五月蝿い足音を立てながら、ナイフが僕の首元に飛んでくる。
「遅いよ?そんなナイフじゃ僕は殺せないのに。」
「…来栖莉空か?」
ナイフをまた構えながら、男が話しかけてくる。
「正解〜………とりあえずお話しましょ〜」
お話、それはちょっとした娯楽。
どう洗脳するかを考えながらお話するのは楽しくて楽しくて。
「誰がお前なんかと話すか。さっさと死ね!」
「ナイフを操るのかな?」
ちょっとした圧を出しながら聞くだけで、相手は動けなくなる。
まぁ、頑張れば動けないこともないけど、頑張り方を忘れてしまう。
「………そうだがなんだ?このナイフには猛毒が塗ってある。お前が苦しみながら死んで行くのを見るのは楽しみだ!」
身体は動かないのに睨んでくるなんて愚かで笑ってしまう。
「楽しくなってきました。貴方がやろうとしたこと、そっくりそのままお返ししまーす!」
動かない状態のお客さんの、両腕の骨を折る。
「っ…………!!ごめんなさい、許してください!なんでもするのでもう逃がしてくださいッ!!!!!」
馬鹿だなぁ、謝っただけで許してあげるわけないじゃん。
歌を口ずさみながら、手をかざす。
折れているはずの腕が、変な方向を向いて。
男のナイフを持った手は、男の首元へ。
「確かその毒は、苦しみながら死ぬんですよね〜 精々苦しんでください〜」
「遊び終わっちゃった。つまらなかったけど、しょうがないか……」
一瞬脳裏に浮かぶ、泣き叫ぶ少女の面影を振り払うように、スマホを握り直して帰路に着いた。
続く お気に入り登録で更新チェックしよう!
最終更新日から一ヶ月以上経過しています
作品の状態報告にご協力下さい
更新停止している| 完結している
←2.鴉と一緒に、帰りましょう。
6人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
通りすがりの樋口 - 滅茶苦茶面白かったです!更新頑張ってください!! (2021年9月15日 10時) (レス) id: 81c14bd0e3 (このIDを非表示/違反報告)
ルア - 面白かったです!もっと書いてほしいです! (2021年8月17日 22時) (レス) id: e5dad8b3a2 (このIDを非表示/違反報告)
NEMO@カオス家族同盟*妹犬ぅ@めんへら属性(プロフ) - 更新おつ〜 (2020年6月29日 22時) (レス) id: c863bfcdb2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ