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「ねぇ、」
「なぁに？おチビちゃん」
Aの手を引き、一定のペースを保って歩き続ける彼女には、色々と疑問点があり、何処から聞けば良いのか迷う。
「全部答えてあげるから、ゆっくりどうぞ」
思考を見透かすように言う。
「まず、あなたの名前は？」
ピタリと足を止め、くるりとAの方を向く。
ドレスの裾がふわりと広がって、綺麗だった。
「名前、名前ね、……失礼、私名乗ってなかったわ。でも、待ってね、ここで名前は不味いの。移動しましょう。手をよく握っていて。」
ぶつぶつと呟く。 早口だったのでよく聞こえなかったが、最後の手をよく握っていて、だけは聞き取れた。
「どうやって移動す―」
最後まで言えなかった。
謎の渦に身体ごと巻き込まれて、息が出来なかった。
_______________
着いたのは何処か分からない街の路地裏。
手を引かれるままに、ふらふらになりながら着いていく。
狭い路地裏の迷路のような道を進み続け、行き止まりの壁にたどり着く。
彼女が杖を取り出し、何か唱えると壁が消え、その向こうに小さいが、よく出来た造りの家が見え、入り口に1匹の黒猫が座っているのが見えた。
後ろを振り向けばそこにはもう、何も無くて、壁も消えてしまっていた。
「対マグル避けの魔法よ。私の場合はマグルだけじゃないけれどね。」
「まぐる……？」
聞いたことの無い単語に戸惑う。
「魔法を使えない人間のこと。貴方の家族のような人たちを指す言葉よ。
マグルに私たちの存在や、魔法は見られてはいけないの。わかる？」
「うん」
そして、思い出したように言う。
「名前、だったわね。」
「そう。わたしの名前も教えてない」
そう言うと鈴がカラカラと音を立てたように、笑った。 おかしなことを言っただろうか。
「名前も知らないのに、連れてきちゃったのね。」
今更だ。
「さぁ、入って、」
ふふっと笑い、その細い指でドアノブに触れ、会話を続けながら中へはいるように促される。
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霞(プロフ) - raitisayaseさん» 遅くなりました💦コメントありがとうございます！嬉しいです、カメさんですが頑張ります！！ (2022年9月20日 21時) (
レス) id: 15ecf1a3d4 (このIDを非表示/違反報告)
raitisayase(プロフ) - 続が楽しみです！頑張って下さい。 (2021年12月4日 21時) (レス) @page34 id: 9634a3802d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：霞 | 作成日時：2021年1月10日 13時
