不変は永遠ではない【すとぷり】 (ページ2)

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全ての始まりページ2

「朱里！ちょっと来てくれる？」

不意に母さんに声をかけられた

母さんはいつにも増して楽しそう…な気がする。

(そういえば…誰か来てたみたいだったな)
お友達かな…それとも…

先に行った母さんを追って、リビングに向かい…

『何？母さん』

母さんに声をかけ…気づく

母さん以外の人が、"2人"いることに。

これから話されることが…何となくわかった
ただ…だからといって、それに納得するかは別だ。

「あのね、お母さん…結婚しようと思うの」

…母さんは、ずっと独りだった。
小さい頃に両親を亡くしたらしく、その後は親戚を点々としながら生活をしていた。点々としていた理由は…確か、お母さんの両親が嫌われていたから。だから、そんな二人の子供を、ずっと家には置きたくなかったのだろう。

お母さんは18歳で私を産んだ。
父親は分からない。お母さんは戸惑いながら、産むという選択をした。…してくれた。それで産まれたのが私。

親戚には頼れなかったから、友だちとか、良くしてくれた大人の人達に助けを求め、何とか生活できた。
お母さんも仕事を見つけて、子育てと両立しながらの生活だった。私が特に不自由もなく暮らせたのは、お母さんの頑張りのおかげだ。

…だから、お母さんには幸せになってほしいと思ってる。でも…もっと何か言って欲しかった。わがままかもしれないけど…"お母さんの愛を一身に受けるのは、ずっと私でありたかったな"。

「朱里？大丈夫？」

…大丈夫じゃない。けど、お母さんがあんな風に笑顔でい続けられるなら…

『そっかぁ。お母さんが幸せになれるなら嬉しいよ！』

初めて…嘘をついた。

あれ？…なんか、睨まれた？
ピンク髪の男の子…一瞬、私を睨んでた？

「ありがとう、朱里。それじゃあ、紹介するわね」

お母さんの相手…まぁ、お父さんの名前は、文也さん。大きな会社の社長さんらしい。…でも、社長さんにしては堅苦しい様子もなく、優しげだ。お母さんを…幸せにしてくれるかな。…してほしいな。
それからピンク髪の男の子…名前は、里兎くん。
私と同じ高二。無愛想な感じで…よろしくも言わなかった。

どちらの苗字にするかという話により…嫁を迎えるということで、藤宮から桃瀬に変わった。
まぁ…藤宮に愛着なんかなかったから別にいいか。

お母さんが2人を部屋に連れていって、やっと、1人になれた。
…もう、お母さんは私に愛をくれないのかな。