検索窓
今日:2 hit、昨日:0 hit、合計:217 hit

運命と因果のバディ ページ4

街中に出れば人々の賑わいが目に入るわけで,様々な人種を見てはフィオは目を輝かせていた。

「わぁ〜,色んなお店がある…。
色んな髪や目の色の人も…」

その様子にターフェは解説を始めた。
曰く,このイデアル王国は多民族国家である。
だが矢張り,茶髪に緑の瞳をした『緑の民』が多いと。
フィオはそれを聞いた後に疑問を零す。

「黒の髪の人は居ないんだね…」
『…フィオは伝説が好きなんだねぇ』
「はい!あの悪の大魔導師ターフェアイトは,世にも珍しい黒髪と夕闇の瞳の美青年だったと…」
『あの美しさが,君にも分るのかい!?』

目を輝かせるA。
その様子はある意味異常な程である。
彼女の執着は変わらないなんて,そんなことを思いつつ,ターフェは話す。

「『伝説』と言われる黒の民がこんな街中に居たら大騒ぎさ」
「そっか…。
そう,ですよね…」

再び敬語へと変わった様子に悪戯心か否か,ターフェが問いかける。
その顔の近さはまずいと思うのか,Aの瞳は暗さを増した。

「…気になっているんだが,君はどうして時々敬語になるんだい?」
「えっ!」

しどろもどろに答えにくそうなフィオに追い打ちをかけるように,微笑みを浮かべ『バディ』という言葉を強調して見せた。
気まずそうなその様子,そちらの方がまずいと思ったのか,Aは問いかける。
まあ,彼女の場合,会話が長続きするということが嫌なのだろうが。

『…ねぇねぇ,フィオは僕と同じAクラスなの?』
「あ,う,うん!
そう!」
「へぇ,クラスが一緒になる人達でバディが出来るようになっているのかな?」
『ターフェも同じなのかい?
嬉しいねぇ…』

含みのある笑みを浮かべて零す彼女にターフェは苦笑いを零した。
まだ,フィオは何か隠し事をしている。
だが,事を荒立てる必要性が今は無い。
会話の内容を自然と変えようと,入学テストについての話題を出した時だ。

「おい!見つけたぞ!
そこの金髪!
さっきはよくもやってくれたな!」

あの二人組の男であった。

〃→←〃



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (1 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:紅華 | 作成日時:2023年9月13日 13時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。