62.説教タイム ページ19
先頭に二宮さん、右に辻先輩、左に犬飼先輩。
完全に逃げ場を失った私は今、ラウンジへと連行されている。
『あのー、やっぱ別の場所にしません?』
二「却下だ」
『ですよねー…』
あー、とうとう着いてしまった。周りをぐるっと見渡せば、知っている顔で溢れていた。最初に近づいてきたのは春秋さんだ。
東「A。そこに座れ」
『…はい』
うわー、春秋さん超いい笑顔。つまり、めっちゃ怒ってるって事だ。
東「俺や皆が何でここに居るのか、分かってるよな」
疑問符のついていない問い掛け。分からないとでも言えば殺されそうな雰囲気だ。なんとか首を縦に動かす。
その後は、春秋さんによるお説教タイム。正論で攻めてくるので耳が痛い。気づけば春秋さん以外の人も加わっていた。響子さんに蒼也さんに諏訪さん、堤さんに加古さんに二宮さん、蓮さんまで。つまりは大人組だ。…慶さんがいないのはお餅食べてるからかな。
大人組総勢8名によるお説教は約1時間続いた。
無事隠し通せた事に安堵し、支部に戻ろうと立ち上がろうとする私の肩を押さえる手があった。その腕を辿った先には犬飼先輩の顔。
犬「まさかこれで終わりだなんて思ってないよね」
またまた疑問符のない問い掛け。後ろに控えている高3・高2の先輩達の威圧感がやばい。にっこり笑う犬飼先輩の目は、全く笑っていない。
『ハイ、モチロンデス…』
それから先輩達のお説教タイムが始まった。こちらもまた正論で攻めてくるから耳が痛い。解放されたのは約30分後だった。
先輩達にも隠し通せた事にほっとして、今度こそ支部に戻ろうと立ち上がろうとする私の頭を押さえる手があった。ギギギと顔を上げると、見慣れたイケメンが。
烏「まさかさっきので終わっただなんて思ってないよな」
またもや疑問符のない問い掛け。イケメンが怒ると怖いって本当だったんだな。とりまるの背後の皆の顔も凄みが増している。
『…メッソウモゴザイマセン』
今度は同輩・後輩によるお説教タイム。こっちは感情論ばっかだけど、1言ったら10で返されそうなので黙って聞いておく。解放されたのは約30分後だった。
合計で2時間を超える説教だった。
『たくさんの心配と迷惑かけて、本当にごめんなさい!』
最後にそう言って、ガバッと頭を下げる。その頭に優しく撫でる手が1つ。いや、2つ?3つ?あー、もう分かんない!
ああ、やっぱり皆いい人だなあ。
胸がズキンと傷んだような気がした。
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作者名:しとろん3号 | 作成日時:2019年2月6日 18時