60.連行 ページ17
やって来たのは二宮隊だった。
犬「皐月ちゃん!無事で良かった!」
そう言う犬飼先輩の顔にいつもの笑みは浮かんでいない。他の二人の表情も険しい。
二「
『あはは、すみません。ご心配をお掛けしました。まあ、結果オーライって事で。それより彼を本部に連れて行かないと』
二人の言葉を軽く躱して言うと、三人共大きなため息を吐いた。
二「…説教は本部に戻ってからだ」
『はーい…。彼、生身なんですけどどーやって連れて行きます?』
二「それについては問題ない」
犬「皐月ちゃん、あの建物の裏、視てみて?」
『…なるほど。二宮さん、ありがとうございます』
二「ふん…。早く乗れ」
『はーい。さ、一緒に来て?』
ソーマを立たせ、二宮さんの車に乗せた。私は助手席に座り、後部座席には右から犬飼先輩、ソーマ、辻先輩の順で座っている。もちろん運転席は二宮さんだ。
『そう言えば二宮隊、遅かったですね。何かあったんですか?』
犬「あー、忍田さんからB級の隊は全員が揃ってから出動って言われててさ、うちの隊は今日は非番だったから遅くなっちゃったんだ」
『そうだったんですね…』
その後は主に私と犬飼先輩が喋って、たまに二宮さんが口を挟み、辻先輩とソーマは全く喋らなかった。
二「着いたぞ。降りろ」
『はーい。二宮さん、ありがとうございました!』
満面の笑みでお礼を言う。それを見た二宮隊の三人に加え、ソーマも一瞬頬を染めたのには気づかないフリをして、先に立って歩き始める。
コンコンコン
『皐月です、失礼しま…』
鬼「おい皐月!お前何をやっとるんだ‼」
『あはは、すみません…』
忍「笑い事じゃないぞ‼」
林「今回は味方できないぞ、皐月」
『…そうですね。軽率な行動だった事は認めます。ご心配をかけた点については反省してますが、後悔はしてません』
にこりと笑みを浮かべたまま言い切った。
大人たちは一斉にため息を吐いた。私がそう言うのは分かっていたのだろう。
『忍田さん、視覚情報の共有ってまだ必要ですか?』
忍「あ、ああ。街の安全確認と全部隊の撤退が済むまで使わせて欲しいんだが…」
『分かりました。終わったら連絡ください。
…じゃ、本題に入りますね。彼が人型
その言葉で、皆が一斉にソーマに視線を送った。
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作者名:しとろん3号 | 作成日時:2019年2月6日 18時