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55.狙いは ページ11

時間稼ぎをするなら接近戦はダメだ。かと言って長距離戦だと戦闘にならないし。やっぱり無難に中距離戦だな。
ただ、心配なのは私の残りのトリオン量だ。なにしろ相手のトリオンは私の2倍近くあるのだ。相手より先にトリオン切れになってしまっては元も子もない。シューター寄りのオールラウンダーみたいな戦い方──────弾で動きを制限して剣で仕留めるという戦い方が一番だろう。

さて、どの武器を使おうか。射程の長い武器と言えばよーすけ先輩の槍だ。刃の部分も小さいのでトリオン効率もいい。
今回はもう少し射程が欲しいので薙刀の形をイメージ。旋空と幻踊みたいに刃の形やリーチを伸ばせるオプションを追加。名前は"五色星(カペラ)"。

五色星(カペラ)を構えつつ、弾丸トリガーの準備をする。
まっすぐで火力重視の"彦星(アルタイル)"
追尾式だが威力は弱めの"織姫(ベガ)"
弾道を設定してから放つ"平家星(ベテルギウス)"
放った後で弾道を操作する"源氏星(リゲル)"
これだけあればあとは組み合わせ次第でなんとかなるだろう。

これで準備は整った。戦闘開始、と思ったその時、本部から通信が入った。話しているのは…修?……何っ⁉……へえ、そういう事か。にやりと笑い、相手に問いかける。


『…ねえ、あんたたちの目的、膨大なトリオン量を持つトリガー使いを捕らえる事なんだね?』


「………⁉」


お、動きが止まった。あの反応は当たり、かな。
さっきの修の話によると、敵の狙いはC級隊員のはずだったのだが千佳の膨大なトリオン量が敵に知られてしまった後、途端に千佳が狙われ始めたらしい。

この話を聞けば、敵の目的が千佳みたいに膨大なトリオン量を持つ人間だって事くらい、すぐ分かる。

私も千佳ほどじゃないけど、かなりのトリオンを持っている。この事がバレて敵に狙われたら厄介だ。

もし他の誰かが今の私の状況になったら、自分に敵を引きつけて千佳を守ろう、とでも考えるのだろうか。
生憎私は個人の為に動けるほどまっすぐな人間じゃない。私が動くのは"最善"の為だ。そして今回、迅さんから「敵を引きつけて千佳を守れ」と言う指示はない。それどころか"いつも通り"を指示されている。私のいつも通りとは"より善い未来の為"に動くこと。

だから、迅さんの言葉の真意は、




──────千佳を囮として使うことを決めたって事だ。

《トリガー紹介+α》→←54.思考回路



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作者名:しとろん3号 | 作成日時:2019年2月6日 18時

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