叶わない7 ページ8
キヨ 「それじゃ、A借ります」
母 「宜しくね、キヨくん」
『行ってきます、お母さん』
母 「気を付けるのよ」
お母さんのお見送りを受けて、キヨ兄と荷物を持って家を出る。東京、すごく楽しみ…！
キヨ 「ん、もう着いていい頃なんだけど」
とキヨ兄が呟きながらスマホを弄っている。
そして、はぁ？と言いながら私に向き直る。
キヨ 「近くのコンビニまで歩いてくぞ」
『あ、うん。何かあったの？』
キヨ 「あぁ、いっつも帰ってくる時は友達と来てんの。多分お前も会ったことあんだろ」
『キヨ兄の友達……あ！フジ兄ちゃん達？』
キヨ 「何で少し嬉しそうなんだよ」
『だって、小さい頃沢山遊んでもらったもん。久しぶりに会えるなんて嬉しい！』
かっこよくて優しいフジ兄ちゃんと、面倒見の良いこー兄ちゃん、そしておっとりしてて可愛いヒラ兄ちゃん……また会えると思うだけで笑みがこぼれる。
キヨ 「…んー、失敗だったか」
『何か言った？』
キヨ 「何でもねぇよ」
___________
「あ、キヨ！こっちこっち〜」
コンビニに着くとキヨ兄を呼ぶ声が聞こえて、その方を見ると
キヨ 「よお。こんなあっちぃ中歩かせやがって…」
フジ 「だってキヨの家じゃないから行っていいかわかんなくて」
キヨ 「ん、まぁそうか」
フジ 「…あれ？もしかしてAちゃん？」
フジ兄ちゃんが私の顔を覗き込んで驚いた様な顔をする。
『ふふ、久しぶりフジ兄ちゃん！覚えててくれて嬉しい』
にこっと笑いながら言うと、フジ兄ちゃんも柔らかく笑ってくれて、
フジ 「覚えてるに決まってるべや、久し振りだねAちゃん」
ふふふ、と二人で笑い合っていると
キヨ 「早く乗って行くぞ。今日中にあっち着かなきゃなんねぇんだからな」
ぶすっとした表情と低い声で少し怒っているというのが分かる。
そのキヨ兄の様子にフジ兄ちゃんと二人で首を傾げ、キヨ兄に続いて車に乗り込んだ。
うーん……少しだけ怖かったな…キヨ兄怒ったの。
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蘇澳(プロフ) - けろさん» コメントありがとうございます！とても励みになりました！お目に入れて頂き光栄です！これからも更新がんぱりますので宜しくお願いします^^ (2019年8月30日 16時) (
レス) id: e4a4be21c3 (このIDを非表示/違反報告)
けろ(プロフ) - 初めまして！毎回更新を楽しみにしています(^^)居候生活編も楽しみに待ってます笑小説書くのは大変だと思いますが応援しています！ (2019年8月30日 12時) (レス) id: 2aaeade905 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蘇澳 | 作成日時：2019年8月12日 23時
