親戚の子

叶わない24 ページ30

『キヨ兄、ちょっと聞きたいことがあるんだけど…』


キヨ 「…ん？何だ？」


ダイレクトメールが来た日、早速キヨ兄にそのことを聞いてみた。そして、私も出るという報告をしたくて。

『キヨ兄さ、Ｎ社のイベント出るよね？』


キヨ 「あ…おう。出るけど、どうかしたのか」


『あれさ、歌い手さんと実況者さんどっちも集めるって言ってたじゃん？』


キヨ 「…そんなこと言ってたな、そんで？」


『私、その、歌い手の方の新人枠で選ばれたみたいで、その……』

わー……恥ずかしい！
自分のこと言うのってこんなに恥ずかしいんだ…


キヨ 「は！マジで？やったな、A！」


顔を上げると笑顔で喜んでくれているキヨ兄が目に入って、私の顔もどんどん緩み始める。

キヨ兄が、喜んでくれた、


『だ、だけど…キヨ兄やうっしーさんたちと他人のフリしなくちゃいけないのが少し寂しくて、』


折角のイベントなのに、一緒に楽しめないなんて、


キヨ 「…あー、そうだな…あんま話さねぇ方が良いかもな」

目立つだろうし。

そう言ったキヨ兄は少し寂しそうで、キヨ兄も同じような気持ちになっていると思うと少し嬉しい。


キヨ 「でもお前とイベント出れるまでになったんだな、」

すんげぇ嬉しい、


そう、からっと笑ったキヨ兄から目が離せない。


ドキドキしすぎて心臓が痛い。

私がそういう言葉とか顔に弱いってこと知っててやってるの？
どうしてそう、脈アリみたいな行動取るの…？


『わ、私も、キヨ兄とイベント出るの、夢だったから嬉しい……』

まともにキヨ兄の顔も見れず、俯きながら呟く。
あー、絶対顔赤い……恥ずかしい…


キヨ 「早めに叶ったな？」


『…ふふ、うん』


そうして、打ち合わせの日を迎えた。

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