叶わない18 ページ22
三月中は特になにも起きることなく、四月になり待ち望んでいた学校が始まった。
最初は友達なんかできるか心配だった、田舎モンだし……。
だけど丁度近くに座った女の子が実況者好きで意気投合し、すぐ仲良くなれた。
ありがとうキヨ兄。あなたのおかげで友達出来た。
初日は式などで終わり、サークルの勧誘なんかもしてた。
まぁ私はバイトがあるのでそんなこと出来ないんだけど。
亜季 「Aサークル入んないの？」
『うん、私親戚の家に居候してるからバイトするの』
亜季 「あらら、そうなんだ」
『まあ全然苦ではないんだけど』
亜季 「それは良い！」
亜季とはそこで別れ、真っ直ぐ帰る。
いや、こっちの電車って凄い。さっき乗ったと思ったらすぐ来る。田舎と段違い……
そして部屋に着き、キヨ兄から貰った合鍵で部屋に入る。
『ただいま〜』
いつもは間髪入れずに返事をくれるんだけど、今日に限ってそれがない。
どうかしたのかとキヨ兄の部屋の前に立ってみると、
キヨ 「よーし、やってくぜー」
なにやら喋り声とゲーム音。
あ、実況撮ってたのかぁ……邪魔したかなぁ
キヨ兄が実況を撮り出したらご飯も忘れるので、少し遅めの昼食を作ってあげようとキッチンへ向かう。
『あんまり音立てるのもあれだし__そうめんにしよ〜』
そうめんを茹でて、その間にハムときゅうりを切る。
きゅうりはキヨ兄が嫌いな野菜なのでしっかりドレッシングで味を付ける。
茹で上がったら揉み洗いして、氷水で締める。
『今日結構暖かいからそうめん丁度いいんじゃないかな』
めんつゆを水で割ってガラスの器に移し、そこにそうめんを盛り付け、ハムと味付ききゅうりを添えて、完成
『ふふ、上出来』
いや、地味過ぎたかな。
んー、まぁ、いいか
悩みながらキヨ兄の部屋まで持って行き、小声で声を掛ける。
『キヨ兄、あの…お昼ご飯、』
キヨ兄は目線だけでこっちを見ると、むすっとした顔になった。
あ、やっぱり余計なお世話だったかな…実況撮ってる最中だもんね、
するとキヨ兄は立ち上がり私を連れて、部屋の外に行く。
キヨ 「帰ってたのか」
『う、ん』
キヨ 「今度から俺が実況撮ってる時は飯作ってくんなくて良いから。適当におにぎりとかで済ますからあんま構うな」
少し低いキヨ兄の声。
やっぱ邪魔したよね…
『…ごめんなさい』
私は出来たそうめんを涙と共に流しに捨てた。
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蘇澳(プロフ) - けろさん» コメントありがとうございます！とても励みになりました！お目に入れて頂き光栄です！これからも更新がんぱりますので宜しくお願いします^^ (2019年8月30日 16時) (
レス) id: e4a4be21c3 (このIDを非表示/違反報告)
けろ(プロフ) - 初めまして！毎回更新を楽しみにしています(^^)居候生活編も楽しみに待ってます笑小説書くのは大変だと思いますが応援しています！ (2019年8月30日 12時) (レス) id: 2aaeade905 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蘇澳 | 作成日時：2019年8月12日 23時
