叶わない17 ページ21
キヨ 「あ、お前の荷物届いたぞ。俺先に開けちまったけどなー」
『え！？なんで開けんの〜！人の荷物開けるとかありえない！』
キヨ 「はははっ、普通に嘘だわ」
『もう！』
20センチ上のキヨ兄を見上げながら、会話をする。
はぁ、夢に見てたこんな生活が叶うなんて…
『あ、私バイト始めるからお金出します』
キヨ 「そういうの良いっつったのに。……まぁ出してくれるっつうなら、お前には飯類頼むわ」
『うん！食費は任せて！』
キヨ 「でも金ねぇ時は言えよ？」
『ううーん……はい、そうなんないようにするけど』
キヨ 「俺はお前のこと典子おばさんから頼まれてんの。結構良いお礼して貰ったし」
『んん…でも、』
キヨ 「良いっつったら良いんだよ、お前は学生なんだから」
ぽんぽんと頭を撫でられると、嬉しいような少し寂しいような気持ちになる。
それは明らかに子供扱いされてるからで。
『うん…ありがとう』
キヨ 「おう」
____________
『ふあぁ、新幹線疲れたぁ…』
家に帰るなり、魂が抜けたようにソファに身を沈める私。
それを見たキヨ兄は、深いため息と苦笑いをした。
キヨ 「いつから学校だ？」
『四月一日ですー』
キヨ 「結構ゆっくり出来んのな」
『うんー、ふあぁ』
キヨ 「欠伸しながら言うな」
『だってぇ、眠いんだもん…』
キヨ 「だったら布団入って寝ろ」
『私服でお布団入りたくないもん。……あ、キヨ兄のお仕事の邪魔にならないかな…？』
一番大事なこと忘れてた。それ。
私は家では録らないから大丈夫だけど、キヨ兄は家じゃん……
キヨ 「ん、あ？気にすんなよ。逆にお前も気にすんなよ？」
『私は大丈夫ー、キヨ兄の動画見てるから動画のテンション分かってるんで』
キヨ 「お前、見てんのかよ」
『見てますよ〜兄ちゃんが活躍してるところぐらい』
ふふふと笑いながらそう言うと、すぐ返ってくると思っていたキヨ兄の言葉が全く返ってこない。
ん？と思って見てみると何やら口元を抑えている。
『！、キヨ兄？具合でも悪いの？』
キヨ 「……いや違ぇわ！…急に兄ちゃんなんて呼ぶなよ…」
『……キヨ兄が照れた…』
キヨ 「いや照れてねぇし！」
『今照れてましたあー！』
キヨ 「違いますー！」
『照れてたじゃん！』
キヨ 「照れてませんー！」
(キヨ兄で)遊び尽くした居候生活一日目。
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蘇澳(プロフ) - けろさん» コメントありがとうございます！とても励みになりました！お目に入れて頂き光栄です！これからも更新がんぱりますので宜しくお願いします^^ (2019年8月30日 16時) (
レス) id: e4a4be21c3 (このIDを非表示/違反報告)
けろ(プロフ) - 初めまして！毎回更新を楽しみにしています(^^)居候生活編も楽しみに待ってます笑小説書くのは大変だと思いますが応援しています！ (2019年8月30日 12時) (レス) id: 2aaeade905 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蘇澳 | 作成日時：2019年8月12日 23時
