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Noside
「レクイエム」
ユリカを除くメンバーがゴール前に群がる世界代表を徹底的にマークする。
作られた道をベテルギウスが直進していき、ユリカを視線を交わらせる。
「「オリオンダブルクロスバイパー！」」
「ダイヤモンドハンド！」
先程同様に円堂の必殺技は歯が立たず、三点目を許したところで前半終了のホイッスルが響く。
三対ゼロではあるが、三点しか入れられ無かったことは不幸中の幸なのかもしれない。
疲労困憊の世界代表に引き替え、オリオン側は誰一人して疲れの片鱗も見せていない。
実力の差は歴然だった。
「監督！俺を後半に出してくれ！」
「……………いいでしょう、」
懇願するように何度も頼み込んだヒロトの強い意志が伝わったのか、趙金雲は遂にそれを承諾した。
ここから三点以上を巻き返すのは容易ではないが、果たして……。
後半が始まって早々ユリカは旋風を巻き起こして明日人を吹き飛ばした。
その旋風で近くにいたベテルギウスのフードが剥がれる。
「え……」
「馬鹿な……！」
素面をさらしたベテルギウスに驚嘆の声が次々と上がる。
「柊……！？」
「あーあ、バレた。」
目の前にいた鬼道に嘲笑に似た笑みを見せた。
まとっていたローブを投げ捨て、ベテルギウスはユリカに合図をする。
ユリカはベテルギウスにパスを繋ぎ、冷徹な目で明日人を見下ろす。
「無様に転がりながら見ているがいい、絶望を」
ボールを受け取ったベテルギウスは親指と人差し指を口に添えた。
会場中に綺麗な指笛をとどろかせる。
「……まさか……！やめろ、柊！その技だけは！！！」
たったそれだけの動きで彼女がなんの技を使うのか察した鬼道の悲鳴にも似た叫び声が響き渡る。
嫌な予感を感じたヒロトも駆け出すが、到底間に合わない。
まがまがしく紅いペンギンが現れ、ベテルギウスの右足を容赦なくついばむ。
腕、腹、脚と全身の筋肉が痛み顔を歪めるがボールを蹴る足は減速すらさせない。
「皇帝ペンギン……一号ッ……！！！」
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作者名：るぴゃん x他1人 | 作成日時：2020年3月18日 8時
