ベテルギウスの泣く頃に。S (ページ3)

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Aside

結局ジャンケンで灰崎が負けて、みんなでお好み焼き屋に来ていた。

４人で１テーブルを囲んで食べる事になったのだが、ここのテーブルは５人だった。

メンツとか相性とか色々組み合わさって、もう色々酷い。

灰崎、光、ヒロト、タツヤ、そして私。聞くだけでも「あぁ………」と察せるメンツだと思う。

「俺が焼く！」

「俺だよ！」

「おい、そんなに辛味を入れたら………」

「うおおおお！お好み焼きが燃えた！」

慌てて鉄板の火力を弱めると、丸焦げになったお好み焼きを五等分してそれぞれの皿に配る。

「にっ………………が」

と思わず顔をしかめる。もはやお好み焼きの原型を保っていないし、ただの巨大な焦げだ。

「かっっっっら！！！みずみずみず…………」

隣に座っている光は声を上げると、私のコップを取って水を飲み干した。

「それ私の飲みかけ………」

「ん゛ん゛！ごめん！」

勢い良くコップをテーブルに置いて赤面する光。

「だ、大丈夫だから落ち着いて…………」

「全く………二人がやったらろくな事にならないから俺がやるぞ」

見兼ねたタツヤが二枚目を焼いてくれる。

「………美味しい」

「そもそもお店で出されるのはそのまま普通に焼けば美味しいはずなんだよ」

「普通にやればね」

「俺たちのが普通じゃなかったっていうのか！」

たっぷり辛味が入っていたり、燃えて丸焦げになるくらい火力を強めたりはどう考えても普通じゃない。

ちなみにここは、吉良財閥の御曹司さまが全員分奢ってくれた。