ベテルギウスの泣く頃に。S (ページ12)

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発見ページ12

Aside

氷浦先輩の推理に基づき、翌日の早朝から樹海沿いを歩いて捜索していた。

「河童だって！この滝にいるんですかね？」

「河童っていうのは想像上の動物で、実際にはいないんだよ」

「えー！絶対いると思うんですけど！」

「あ、明日人！一星！」

樹海の中から飛び出てきた光と稲森先輩の姿を捉え、駆け寄る。

「大丈夫か？」

「うおおおおお！！！」

剛陣先輩は稲森先輩に突っ込んで行き、強く抱き締めた。

「光も大丈夫？」

「うん」

「二人とも無事でゴスね！」

二人の無事を喜び、氷浦先輩と岩戸先輩は推理の的中を喜んだ。

本当に無事でよかった。それにしても、富士の樹海に入って無事に出てこれるとは不動さんの言う通り生命力は強いみたいだ。

「本当に申し訳ありませんでした。皆さんにご迷惑を…………」

光が謝意を述べていると、剛陣先輩は突然光を一本背負いした。

「申し訳とかご迷惑とか、言ってんじゃねえ！お前はもう俺たちの仲間なんだよ！こういう時は黙ってガーッと抱き合ったりするのがチームなんじゃねえのかよ！」

「剛陣さん…………」

光は剛陣先輩の手を借りて立ち上がる。

「いきなり投げ飛ばすから思わず身構えちゃった」

剛陣先輩が光に危害を加えようとしたのかと思い、私も剛陣先輩を投げ飛ばすところだった。

仲良さそうに戯れる二人を見て安心する。やはりこのチームは優しく、暖かい。