五話 ページ5
真希side
なんだか家が騒がしい、誰か来たのだろうかと庭の植木に隠れて覗いていた。真衣は屋敷の中から見ているけれど、見つかれば叱られる。
私たちは雑用として使われる日々。
こんなところ早く出て行きたい。
と、不意に怒鳴り声が聞こえ始めた。方向的にはあのジジイの部屋からだが、張り合うように低い声も響き渡る。おそらく今来ている客だろう。
気になって少し身を乗り出したとき、その客と目があった。
顔には大きな傷があり、背も高く、着物から覗く腕は鍛え上げられた証がある。
とても強い人だ。
私でもわかるくらいに。
切長の目をわずかに細めて何かを激怒するジジイに投げかけ、彼は部屋を出ると、こちらへと歩いてきた。すると、怒りが収まらなかったらしいジジイが背後から襲いかかった。
「後ろ!!」
私の声よりも早く、彼は見えもしない速さでジジイを弾き飛ばす。
『ちったぁジジイらしく大人しくしとけ』
「あ、あの」
『お前、扇の娘だな。ん?お前、呪力がねぇのか』
「お姉ちゃん…!」
見かねた真衣が飛び出して私の後ろにしがみつく。鬱陶しく感じながらも、私は視線をすぐにこの人に戻す。
目を離してはならない気がした。
この人は私だと、なぜか思うのだ。
何かが、何かが私に目を引かせる。
不思議。
ただその一言に限る。
『……難儀だな。名前はなんてんだ』
「真希。こっちは真衣、妹だ。あんたは」
『俺?俺かい。俺ァ…そうさな。名乗る名前も今は無いが、こう覚えといてくれや。蛇使いの兄ちゃんだ』
「蛇使いの」
「兄ちゃん…?」
そう言うと着物の中から黒と白が合わさった一匹の大きな蛇が現れる。スルスルと布と鱗が摩擦を起こす音と、舌を出し入れする音が鳴る。
テレビでよく見るようなニシキヘビのように大きなそれは、私たちの周りを終わりのない体を目一杯に伸ばし、ぐるぐると回ってゆく。
怖くない。
でも何か不安になる。
でも気がつくと蛇は消えていて。
『強くなれ、特に真希はな。強く在ればなんでもできる、この世界は力が全てだ。そんで、いつか俺のところに来い』
もっと強くしてやるよ。
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ツバメ - なんか甚爾が居ないのを前提にしてるからそこは凄くさびしいけど、彼女の意思と決意が強すぎてつい本人みたいに引き込まれてしまいそうです (2021年7月27日 23時) (レス) id: e61b67cd9c (このIDを非表示/違反報告)
黒野麻陽(プロフ) - クレイさん» 応援ありがとうございます、期待に応えられるよう精一杯やります!! (2021年3月11日 20時) (レス) id: 53793cef18 (このIDを非表示/違反報告)
クレイ(プロフ) - 続き楽しみにしてます!頑張ってください! (2021年3月11日 20時) (レス) id: a6777d967f (このIDを非表示/違反報告)
黒野麻陽(プロフ) - てる。さん» コメントありがとうございます!できるだけ面白く書けるように頑張ります!! (2021年3月5日 15時) (レス) id: 53793cef18 (このIDを非表示/違反報告)
てる。 - 話の中に凄い引き込まれました。一言ではいい表せませんが、言葉が見つからない…!更新、楽しみに待ってます。 (2021年3月5日 14時) (レス) id: 5ec2a8a618 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒野麻陽 | 作成日時:2021年2月17日 22時