四話 ページ4
云須side
声をかければ奴は俺の目の前まで、文字通り一瞬で移動した。動じるわけでもなく、酒臭いジジイの顔を睨みつける。驚いた様子でもあり、興味深げでもあり、そんな顔で僅か数秒ではあるが間が空いた。
不意に笑い始めるあたり、何も変わってはいないらしい。
さすがと言えようか、奴は俺の名を言い当てる。
「どういう風の吹き回しだ。先日特級の地位を捨て去った、我が家の恥さらしが帰ってくるなど。兄の仏壇でも探しに来たか!」
「その上、死んだ兄と同じ格好をしているとは……なぁ?云須」
『先日、五条の坊ちゃんが来ただろう。兄さんの子供に関して取引をしたはずだ』
「…なぜ知っている」
直毘人の言葉を無視して言葉を続ける。
奴の苛立ちが増えようが知ったことか。
『知る必要もねえだろう。その取引を俺にも噛ませろ。金を出してやる代わりに絶対的なものとし、手を出すな』
『それから、テメェとの縁を切る。家からも数人駒使いにしてる奴も連れて行く』
「なんだと!!」
『別に四、五人減ったところで困りゃしねえだろうが』
「違う!!貴様、俺との縁を切ると言ったか!!」
『元より天与呪縛なんざ持った人間はいらねえんだろ。だったらいいじゃねぇか。清々するだろ』
額にはこれでもかと太い筋を浮かべ、酒によるものかもわからないほどに赤く染まる顔で、俺に睨みを効かせてくる。
なんちゃねえな、こりゃ。
自分らが昔頼りの暮らしをしてきたくせして、今更強力な術師を引き止めたくても引き止められない。止めようとすりゃプライドも今まで自分たちがやってきたことも、それら全てが許さない。
『なんとも哀れで醜い自業自得だな』
「おのれぇッ…!!」
『散々ゴミみてぇに扱ってきたくせに、今更手放したくないから縁を切るなだァ?ふざけるのも大概にしとけよ。全部テメェらが撒いた種だろうがよ』
『惨めったらしく指でも咥えてろ。ま、今のうちにどうやって引き戻すかでも考えたらどうだ』
そう言い残して俺は部屋を後にした。
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ツバメ - なんか甚爾が居ないのを前提にしてるからそこは凄くさびしいけど、彼女の意思と決意が強すぎてつい本人みたいに引き込まれてしまいそうです (2021年7月27日 23時) (レス) id: e61b67cd9c (このIDを非表示/違反報告)
黒野麻陽(プロフ) - クレイさん» 応援ありがとうございます、期待に応えられるよう精一杯やります!! (2021年3月11日 20時) (レス) id: 53793cef18 (このIDを非表示/違反報告)
クレイ(プロフ) - 続き楽しみにしてます!頑張ってください! (2021年3月11日 20時) (レス) id: a6777d967f (このIDを非表示/違反報告)
黒野麻陽(プロフ) - てる。さん» コメントありがとうございます!できるだけ面白く書けるように頑張ります!! (2021年3月5日 15時) (レス) id: 53793cef18 (このIDを非表示/違反報告)
てる。 - 話の中に凄い引き込まれました。一言ではいい表せませんが、言葉が見つからない…!更新、楽しみに待ってます。 (2021年3月5日 14時) (レス) id: 5ec2a8a618 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒野麻陽 | 作成日時:2021年2月17日 22時