十九話 ページ19
五条side
『なんだ、帰ってたのか。恵が起きたぞ』
「申し訳ございません。いささか問題が起きまして」
『いい。明一郎、予定通りか』
「ご指示通りには致しましたよ。後はあなた次第です、脩蛇さま」
視える、禍々しい何かが小さな恵の呪力を抱くようにして佇む様が。
だがおかしい。
なぜ禍々しい気配がこの二人にも纏わりついている?さっきまでは何事もなく、ただ普通の呪力を持っているだけだったはず。じゃあなんだ?あいつがいるから?
いいや、ならなんで前回は感じなかったんだ。
警戒心を一気に引き上げた瞬間、目の前に一匹の蛇が現れた。ただのシマヘビだが何か異様に感じ、少し後ずさると体が不意にピタッと止まる。
『逃げてんじゃねえぞ』
「!」
『明一郎、そいつを連れてこい。広間に座らせとけ』
「分かりましたよ」
明一郎と呼ばれた男は僕の背後に立ち、八鞘を向けたまま、壁を通り抜けろと言う。指示されたまま疑いながらも通ってみれば、呪力によって倒れるようにしてあるのか、なんの障壁もなく通ることが出来た。
目の前に広がっていたのはなんら変哲のない、日本家屋の平家。広い庭があり、その先の縁側に佇む男は恵を抱えている。
眠そうな顔をした恵は僕の顔を見るなり、怯えた様子で男の着物を掴み、彼の羽織で自分の顔を隠した。
「恵!僕だ、覚えてるだろ!?」
『いま何時だと思ってんだ。津見紀が起きる、静かにしろ。恵を寝かしつけてくる』
「杏蘭を行かせます」
『すまん』
興味もないと言わんばかりに彼は恵を連れて奥へと戻ってゆく。僕はただ廊下を歩かされるばかり、次第に広々とした座敷が見えてくる。ど真ん中に腰を下ろして男が来るのを待つが、左右に立つ二人をどうすべきか、試行錯誤する。
しかし障壁になるのはやはり、八鞘。
あれさえなければ僕は無敵だ。
だとしてもあの男には敵わない。
打開策そのものを封じ込めてくるあたり、かなりの手練れだ。殺し慣れているというか、なんというか。
ともかく今は時を待つことにした。
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ツバメ - なんか甚爾が居ないのを前提にしてるからそこは凄くさびしいけど、彼女の意思と決意が強すぎてつい本人みたいに引き込まれてしまいそうです (2021年7月27日 23時) (レス) id: e61b67cd9c (このIDを非表示/違反報告)
黒野麻陽(プロフ) - クレイさん» 応援ありがとうございます、期待に応えられるよう精一杯やります!! (2021年3月11日 20時) (レス) id: 53793cef18 (このIDを非表示/違反報告)
クレイ(プロフ) - 続き楽しみにしてます!頑張ってください! (2021年3月11日 20時) (レス) id: a6777d967f (このIDを非表示/違反報告)
黒野麻陽(プロフ) - てる。さん» コメントありがとうございます!できるだけ面白く書けるように頑張ります!! (2021年3月5日 15時) (レス) id: 53793cef18 (このIDを非表示/違反報告)
てる。 - 話の中に凄い引き込まれました。一言ではいい表せませんが、言葉が見つからない…!更新、楽しみに待ってます。 (2021年3月5日 14時) (レス) id: 5ec2a8a618 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒野麻陽 | 作成日時:2021年2月17日 22時