十三話 ページ13
五条side
目の前には長物の刀、背後にも同様に二本ほど構えられ、俺は微塵も動けない状態にある。
なぁにただの刀だ。
すぐにでも抜け出してやる。
なんてことは出来なかった。
ほんのわずか数秒だ。
目の前に現れた男に、張っていた無限を切り裂かれたうえ、背後を二人の術師に取られている。
失態なんてもんじゃないぞ。
こいつらかなりの手練れだが、目の前のこの男の方が数百倍ヤバい。
構えているのは片腕だけ。恵を抱きしめている方の腕で顔を隠し、チラリと覗く瞳に僕は動けなくなった。
まさしく蛇に睨まれた蛙。
「申し訳ございませんっ、我々の手が及ばず…!」
『なに、お前らの手に余っただけだ。気にすんじゃねえ。それに…少し俺も気ぃ抜いてたところがある。こんな御坊ちゃまが、まさか本気になるなんぞ、思いもしなかったぜ』
聞いた覚えのある低い声。
だが、なぜか思い出せない。
「君たち何者?その刀、ただの呪具じゃないでしょ。僕の無限を切るなんて…過去に一人しかやったことないし」
「どこの勢力?それとも呪詛師?」
軽く順転・蒼を使おうとして見せればすぐに離れ、部下らしい二人に恵を任せる。このままだと連れて行かれてしまうが、今回は部が悪い。
仕方ないがこのまま引き下がるしかないようだ。
不満はある。
それはもう大いに。
でも勝てない。
多分まだ勝てない。
いや、勝てるけど勝算はわずかだと見た方がいい。
あからさまに実力に差がありすぎる。
何者だ?あの男。
顔は見えたが、全く覚えがない。
『たく、こちとら仕事で疲れてんだ。勘弁しろ』
「それはこっちのセリフだけどね。なんで恵を連れてった?君はいったい何者なわけ?何を企んでる」
『るせぇ』
「!!」
背後に何かいる。
大きく黒々とした禍々しい何か。気色が悪い、今にも吐き出しそうな気配が周囲を包んで、回り込む。
黒い霧が影になり、やがては液体になって形を作る。大きなその巨体をこちらへと伸ばし、真っ赤に染まった目を僕と合わせた。
あれ、まさか。
「呪霊…!?」
『喰うなよ、腹なんぞ壊されちゃあ俺が我慢ならん。おい!五条の餓鬼、今度ウチのを泣かせてみろ。その首跳ね飛ばしてそこらの呪霊に食わせてやる』
『あとな』
その程度で特級なんざ、笑わせんなよ。
おまえ、術師やめた方がいいんじゃねぇか?
ニタニタと笑ってそいつは僕を侮辱した。
.
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ツバメ - なんか甚爾が居ないのを前提にしてるからそこは凄くさびしいけど、彼女の意思と決意が強すぎてつい本人みたいに引き込まれてしまいそうです (2021年7月27日 23時) (レス) id: e61b67cd9c (このIDを非表示/違反報告)
黒野麻陽(プロフ) - クレイさん» 応援ありがとうございます、期待に応えられるよう精一杯やります!! (2021年3月11日 20時) (レス) id: 53793cef18 (このIDを非表示/違反報告)
クレイ(プロフ) - 続き楽しみにしてます!頑張ってください! (2021年3月11日 20時) (レス) id: a6777d967f (このIDを非表示/違反報告)
黒野麻陽(プロフ) - てる。さん» コメントありがとうございます!できるだけ面白く書けるように頑張ります!! (2021年3月5日 15時) (レス) id: 53793cef18 (このIDを非表示/違反報告)
てる。 - 話の中に凄い引き込まれました。一言ではいい表せませんが、言葉が見つからない…!更新、楽しみに待ってます。 (2021年3月5日 14時) (レス) id: 5ec2a8a618 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒野麻陽 | 作成日時:2021年2月17日 22時