二十九話 ページ29
五条side
予想通りだったといえば嘘になるし、思いもしなかったと言ったらそれも嘘になる。
何せ今回はことの重大さと規模が規格外だったから。
史恵さんから禪院甚爾が禪院云須の兄であることを確認した後、彼女は云須が最後に宗家を訪れた日に、使用人を七名ほど連れ出したことを話してくれた。
名前を書いてくれないかと頼んだところ、彼らの写真と名前を記載した名簿を譲ってくれて。更には云須と甚爾の二人が写った写真も手渡してくれたのだ。
そして彼女は思い出したように話す。
「ああ、歌姫さんは確か云須さまにお会いしているはずですよ」
「え?」
「特級呪術師の称号授与式に、出席なされていたと思いますけれど。私はその時、奥様にお誘い頂いて。五条様は居られなかったと思います」
「私の見間違いでしたら申し訳ありません」
「いえ、助かります」
会話を終え、僕らは一度京都校へと戻り、情報の整理を始めた。落ち着きを取り戻すことも大切だからね。
僕は受け取った名簿に目を通し、写真と記憶を結び合わせて、ふぅ…と一息ついた。
「やっぱりね。だと思ったよ」
「あ!!」
「いきなり叫ぶと血糖値上がるよ」
「五月蝿いな!というか、そうよ。私会ってるわ!」
「え、物忘れ?」
「まだそんな歳じゃない!!あの授与式、確か京都校で行って、夜蛾学長も楽巌寺学長も参加してた。私も教師として参列して…」
「確かあんたはあの時、仕事が被って来られなくなったからって、会場にいなかったんじゃない!」
どうして忘れていたんだと、ひとり考える歌姫を他所に、僕も記憶を探ってみる。確かに彼女の言う通り僕にもその覚えがあったものの、少しばかり記憶が抜けているような感覚があった。
違和感がある。
確かに出席していないが、特級呪術師であったならば見かけたりはしているはずなのだ。何せあの九十九さんでさえ会ったことがある。
となれば、なぜ彼女のことは知らないのか。
そしてもしも…本当にあの男が云須ならば、僕を嫌う理由も、恵から引き離していた理由も合点がいく。
話し合いの中で史恵さんが言っていた事が確かなら…僕は単純に利用されたわけだ。
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ツバメ - なんか甚爾が居ないのを前提にしてるからそこは凄くさびしいけど、彼女の意思と決意が強すぎてつい本人みたいに引き込まれてしまいそうです (2021年7月27日 23時) (レス) id: e61b67cd9c (このIDを非表示/違反報告)
黒野麻陽(プロフ) - クレイさん» 応援ありがとうございます、期待に応えられるよう精一杯やります!! (2021年3月11日 20時) (レス) id: 53793cef18 (このIDを非表示/違反報告)
クレイ(プロフ) - 続き楽しみにしてます!頑張ってください! (2021年3月11日 20時) (レス) id: a6777d967f (このIDを非表示/違反報告)
黒野麻陽(プロフ) - てる。さん» コメントありがとうございます!できるだけ面白く書けるように頑張ります!! (2021年3月5日 15時) (レス) id: 53793cef18 (このIDを非表示/違反報告)
てる。 - 話の中に凄い引き込まれました。一言ではいい表せませんが、言葉が見つからない…!更新、楽しみに待ってます。 (2021年3月5日 14時) (レス) id: 5ec2a8a618 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒野麻陽 | 作成日時:2021年2月17日 22時